よぎる「引退」の2文字 休場・鶴竜に問われる綱の責任

2020年07月21日 11時30分

初日、遠藤に敗れ表情をゆがめる鶴竜(右)

 これで横綱と言えるのか。大相撲7月場所(東京・両国国技館)で横綱鶴竜(34=陸奥)が再び失態を演じた。5場所ぶり7度目の優勝を目指していた矢先、2日目(20日)に「右肘靱帯損傷、肘部管症候群で約2週間の加療を要する」との診断書を提出して途中休場。1月の初場所以来6か月ぶりの有観客開催で、横綱の責任を果たさないまま姿を消した。

 師匠の陸奥親方(61=元大関霧島)は「(初日の)遠藤戦で倒れて、右手から落ちてヒジを痛めた。先週月曜日(13日)の稽古中に痛めていた右ヒジが悪化した」と説明したが…。初日の取組は裾払いを空振りして腰砕け。完全な自滅で、休場するほどの負傷には見えない。勝負が決まった直後には、苦笑いさえ浮かべていたほどだ。

 突然の休場には審判部副部長の藤島親方(48=元大関武双山)も「まさか休場するとは…」と言葉を失った。鶴竜は昨年11月の九州場所初日に「腰痛すべり症」を再発させ、一度も相撲を取らずに休場した“前科”もある。直近6場所では4度の休場。8月10日には35歳の誕生日を迎える。最後に優勝した昨年7月の名古屋場所から丸1年がたつだけに、来場所も休場なら「引退」の2文字が現実味を帯びてくる。

 一人横綱となった白鵬(35=宮城野)は2場所連続45回目の優勝へ向けて2連勝発進。鶴竜の休場について「残念ですけど、早くケガを治すことが大事。その分(横綱の役割を)託されたと思って、千秋楽までしっかり頑張っていきたい」と貫禄を漂わせた。新型コロナウイルス禍の非常事態が続く中、両横綱の明暗が浮き彫りになった格好だ。