「朝5時稽古」で周囲をビビらせていた白鵬

2013年09月30日 16時00分

負傷し左目を腫らした白鵬

 もう誰にも止められない。大相撲秋場所(29日千秋楽、両国国技館)は横綱白鵬(28=宮城野)の27回目の優勝、2度目の4連覇達成で幕を下ろした。終わってみれば今場所も後続を全く寄せ付けない独走V。その裏側では、白鵬は場所前に「超異例」とも言える行動でライバル力士たちをビビらせていたという。いったい、何があったのか――。

 

 すでに14日目に優勝を決めていた白鵬は、千秋楽の結びの一番で横綱日馬富士(29=伊勢ヶ浜)を小手投げで一蹴。「昨日(14日目)優勝が決まっていたので、気楽にいけました。最後の最後まで場所を引っ張ってこれた」と自画自賛した。終わってみれば、今場所も後続を大きく引き離しての圧巻V。あらためて格の違いを見せつけた。

 

 実は、最強横綱は場所が始まる前からライバル力士たちを“圧倒”していた。「超異例」とも言える行動を起こしたのは、9月4日のこと。なんと白鵬は、まだ夜も明けきらない早朝の5時から稽古場に立っていたという。

 

 各部屋ごとに異なるが、関取衆が稽古場に降りるのは午前8時前後が一般的。白鵬の場合は午前9時を回ってからだ。朝の5時から稽古をするのは、序の口や序二段クラス。この日は日中に関西に行く予定が入っていたという事情があったにせよ、とても「天下の横綱」が稽古をするような時間帯ではない。しかも、四股やテッポウなどの軽めの運動で切り上げたりはせず、内弟子の十両大喜鵬(24)を相手に激しい稽古でみっちりと汗を流したという。

 

 ただでさえ、力士は場所直前のライバルの動向に敏感だ。この情報は、アッという間に、他の部屋の関取衆にも知れ渡ることになった。「横綱が朝の5時から稽古をしたらしい」「今場所の横綱は相当に気合が入っているようだ」…。そう口々に話す関取衆の表情は、戦慄を隠しきれない様子だった。結果的に、白鵬の秋場所にかける“本気度”がハンパではないことを植え付けることになった。

 

 白鵬は、千秋楽の優勝インタビューで「東京五輪まで引退しないで土俵に上がるのが夢。一生懸命頑張っていきます」と改めて2020年までの“現役続行”を宣言。今の圧倒的な強さを見る限り、単なる「夢」で終わりそうにない。