未練なし!把瑠都が角界と“完全決別”

2013年09月12日 16時00分

「エストニアの怪人」が相撲界に“決別”を告げた。元大関で十両把瑠都(28=尾上、本名・カイド・ホーベルソン)が11日、日本相撲協会に引退届を提出した。古傷の左ヒザのケガが回復せず、手術が必要なほどの重傷。秋場所(15日初日、両国国技館)も全休なら、幕下への陥落が決定的だった。把瑠都は「ヒザのケガの影響で引退することを決めました。これ以上は(番付で)下がりたくない。横綱になれなかったことは残念」と無念さをにじませた。

 

 一方で、指導者として相撲協会に残る意思については「考えてない」とキッパリ。角界への未練は全くないようだ。実際、外国出身の大関琴欧洲(30=佐渡ヶ嶽)や大関鶴竜(28=井筒)が引退後に親方になることを視野に入れているのに対し、把瑠都は興味すら示さなかった。その背景の一つに角界のしきたりや慣習に最後までなじめなかったことが挙げられる。

 

 Tシャツや短パン姿で繁華街を歩き、協会から再三にわたって厳重注意を受けた。また、11年5月の技量審査場所中には「遊びの場所みたい」と発言し、協会幹部からカミナリを落とされた。事情に詳しい関係者は「本人は最後まで納得がいかない様子だった」。さらに、タニマチからのご祝儀やテレビ出演のギャラを部屋が“徴収”することに対しても、不満を募らせたという。

 

 把瑠都にとっては引き続き「息苦しい世界」に身を置くよりも、全く別の道に進むほうが、はるかに現実的な選択肢。2009年に結婚したエレナ夫人はロシア出身で、日本にとどまらなければいけない理由もない。今後はエストニアへの観光客誘致活動や母国での牧場経営などに携わる見込み。しがらみから解き放たれた男が、第二の人生への一歩を踏み出した。