【大相撲春場所】千代丸「高熱休場」で関取衆不安、角界内は再びピリピリムード

2020年03月16日 14時00分

千代丸が発熱で休場。明生が不戦勝となったが、緊張が走った

 新型コロナウイルスの影響で初の無観客開催となった大相撲春場所(大阪府立体育会館)がまたも緊張感に包まれている。日本相撲協会は力士ら協会員に一人でも感染者が出た場合には途中でも打ち切る方針の中、8日目(15日)に幕内千代丸(28=九重)が40度近い高熱の症状で休場。幕内力士の中で発熱による休場の“第1号”が現れ、関取衆の間に不安が広がっている。相撲協会も報道陣に対して超異例の要請を行っており、事態は一気に切迫してきた。

 新型コロナウイルスに神経をとがらせる角界に再び緊張が走った。8日目朝に千代丸が39・7度の高熱を出して休場。インフルエンザ検査は陰性で、9日目(16日)に再び病院で検査を受けることになった。師匠の九重親方(43=元大関千代大海)から連絡を受けた危機管理部長の鏡山親方(62=元関脇多賀竜)は千代丸を隔離するように指示した。

 日本相撲協会は力士ら協会員に一人でも感染者が出れば場所の途中でも打ち切る方針。朝の検温で37・5度以上の発熱が2日続けば自動的に休場となる。ただし症状次第では1日の発熱でも休場する措置を取っており、千代丸の場合もこれにあたる。今後も回復が見られず、他に原因が見つからなければ、新型コロナウイルスの検査を受けることになる。

 千代丸の実弟の十両千代鳳(27)は「(千代丸は)『体は元気だけど熱がある』と言っていた。昨日(7日目)の夜も普通に部屋で一緒にご飯を食べて元気だった。しっかり休んで土俵に帰ってきてほしい」と兄を気遣った。幕内千代大龍(31)は「コロナではないと思う。(部屋の力士は)どこにも出かけていないし(ウイルスを)もらうところもない」と話した。

 その一方で「接触しないように(兄を)閉じ込めておきます」(千代鳳)、「アルコールを頭からぶっかける勢いで消毒する」(千代大龍)とも…。他の部屋の関取衆の間にも、不安が広がっている。幕内石浦(30=宮城野)は7日目に千代丸と対戦。「昨日やりましたね。40度近くあるんですよね…。気をつけたい」と表情を曇らせた。

 これまで序二段と序ノ口で力士1人ずつが発熱で休場。翌日に熱は下がったが、今回は看板の幕内力士だけに波紋は大きい。角界内も再びピリピリムードに包まれている。

 相撲協会は8日目に報道陣に対して、各部屋で行われる朝稽古を取材する場合には起床時の体温を協会に報告することを要請。検温の報告がない場合は朝稽古の取材を禁止する前代未聞の方針を示した。すでに初日(8日)から春場所会場の大阪府立体育会館への入館時に報道陣の体温チェックを行っていたが、さらに警戒レベルを一段上げた格好だ。

 果たして協会のなりふり構わぬ方策は実を結ぶのか。それとも、打ち切りの憂き目にあうのか。異例の場所は中日の折り返しを迎えても、油断できない状況にある。