【大相撲春場所】異例ずくめの場所始まる 横綱白鵬「ああだ、こうだはない」平常心強調

2020年03月08日 19時42分

NHKのカメラに向かってあいさつする八角理事長(中央)

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で史上初の無観客開催となった大相撲春場所が8日、大阪府立体育会館で初日を迎えた。

 異例ずくめの場所が幕を開けた。触れ太鼓もなければ、力士のしこ名が入ったのぼりもない。力士は会場の裏口から入場し、全員がアルコール消毒を受けた。序の口から幕下、十両へと取組が進行しても、館内は静まり返ったまま。人気力士の登場で大歓声に包まれるはずの幕内や横綱土俵入りも静寂の中で行われた。

 異例の光景は無観客だけではない。幕内の取組開始前には土俵の周囲に審判部の親方衆と幕内力士42人が整列し、初場所で優勝した幕内徳勝龍(33=木瀬)による賜杯と優勝旗の返還式を見守った。続けて行われた協会あいさつでは八角理事長(56=元横綱北勝海)以下がNHKの中継カメラが設置された正面方向にのみ礼をした。

 力士たちも普段とは違う雰囲気に敏感な反応を見せた。今場所で大関取りに挑む関脇朝乃山(26=高砂)は「土俵入りをした時に寂しい気持ちだった。(ファンに)名前を呼んでもらって気合が入る人もいる」。一人大関の貴景勝(23=千賀ノ浦)も「改めて歓声のありがたさが分かった。全然、雰囲気が違うし、初めての経験。少し難しいものがあった。それに慣れていかないといけない」と声を揃えた。

 一方で、横綱白鵬(34=宮城野)は「始まったなという感じ。違和感? ああだ、こうだはないですね。まず一日終わった。それだけです」。通常開催と異なる点については言及を避けた。これまでに数々の試練を乗り越えてきた大横綱の心中は、いかばかりか。果たして力士たちは、どんな気持ちで千秋楽を迎えることになるのだろうか。