日本相撲協会は1日、大阪市内で臨時理事会を開き、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、大相撲春場所(8日初日、大阪府立体育会館)を無観客で開催することを正式に決めた。NHKの大相撲中継は通常通り行われる予定。すでに完売している前売り券の払い戻し方法については決まり次第、協会のホームページなどで告知する。

 2時間半以上におよんだ話し合いの最終結論は「無観客開催」だった。八角理事長(56)は通常開催を断念した理由を「お客さまに迷惑はかけられない」と説明。中止ではなく無観客にしたことについては「そういう選択肢(中止)もあったんですけれども、やっぱり3月場所を楽しみにしてくれるファンのためにぜひ開催したい。無観客ではありますけれども、全国のファンのために開催することに決めました」と話した。

 いずれにせよ、完全な無観客での開催は大相撲史上初となる。土俵入りや懸賞などは通常通り実施。本場所中は力士は公共交通機関を利用せず、バスや車を手配して場所入りする。幕内優勝力士には天皇賜杯と優勝旗が授与される一方で、それ以外の賞は未定。報道陣は支度部屋の中で取材できず、別にミックスゾーンが設けられる。

 力士に感染者が出た場合には、場所を途中で打ち切る方針。行司や呼出など力士以外の協会員については「ケースバイケース」としている。場所を途中で打ち切った場合の成績の扱いや番付編成については「検討中」とした。八角理事長は「まだいろんなことが決まっていない。この1週間で考えたい」と話したが…。本場所中の混乱も予想される。