【大相撲】春場所開催の判断に難題 座布団投げは危険?

2020年02月26日 16時40分

白鵬と鶴竜(左)は力士会後、神妙な面持ちでインタビューを受けた

 大相撲春場所(3月8日初日、大阪府立体育会館)の開催をめぐって、角界が引き続き対応に追われている。新型コロナウイルスの感染が拡大する中、日本相撲協会の八角理事長(56=元横綱北勝海)ら幹部は25日、春場所の開催方法について協議。「通常開催」「無観客」「中止」の3つの選択肢を想定し、3月1日に臨時理事会を開いて最終判断を下す方針を固めた。他競技とは異なるファン層や本場所での“お約束”など難しい問題も抱えているだけに、動向に注目が集まる。

 サッカーJリーグの試合開催が延期となり、プロ野球やラグビーなども開催の可否を問う情勢の中、春場所開催も無条件で、というわけにはいかなくなってきた。とはいえ、大相撲は年6場所。会場の確保や場所後に巡業が組まれていることを考えると、他競技のように「延期」という選択肢を入れられない。

 もし無観客となれば戦後初、中止なら3度目の異常事態となる。八百長事件などを受けて本場所の開催を中止し、2011年5月に行われた「技量審査場所」でも、ファンには無料公開した。協会ナンバー2にあたる事業部長を務める尾車親方(62=元大関琴風)は「無観客なら力士も相撲を取りづらいんじゃないか。本当に大変なことになってきた。頭が痛い。他のイベントの動向も気になる」と顔を曇らせた。

 だからといって、通常開催なら批判は避けられない状況。ただでさえ大相撲は屋内開催で、升席などファン同士の距離も近い。そのファンも高齢者が多く、感染リスクも高い。

 また、横綱が敗れた時に“お約束”となっている座布団投げ(本来は禁止事項)があった場合は、ウイルスの飛散という観点でも危険極まりない。

 同じ日に開かれた力士会では、尾車親方が新型ウイルスへの注意喚起を行った。各力士に不要不急の外出の自粛を求め、握手やサインなどファンとの接触を伴う行為の禁止も通達。「力士がウイルスにかからないようにしておくことが大事」と意図を説明した。力士会会長を務める横綱鶴竜(34=陸奥)は「ファンの人と握手やサインができないのは残念。(感染予防に)今まで以上に気を付けたい」と神妙な面持ち。

 横綱白鵬(34=宮城野)は「さまざまな問題を乗り越えてきたけど、これは目に見えないもの。ある意味、不思議な緊張感で稽古をして場所に臨むことになるでしょうね」と異様な状況を肌で感じている様子だった。春場所の「主役」である力士たちにとっても、開催方法の行方は最大の関心事。最終的な結論が出るまでの間は、落ち着かない日々が続くことになりそうだ。