大相撲の幕内炎鵬(25=宮城野)が変わらぬ人気者ぶりを発揮している。身長168センチ、体重98キロの関取最小兵ながら、1月の初場所では大関を含む三役力士4人を撃破。主役級の活躍でファンを魅了した。9日の「日本大相撲トーナメント」では3回戦で同部屋の横綱白鵬(34)との“ドリームマッチ”が実現。下手投げで白鵬を破り、満員の館内を大いに盛り上げた。

 白鵬にスカウトされて角界入りした炎鵬は、かねて大横綱と本場所で優勝決定戦を行うことを目標に掲げてきた。花相撲とはいえ、国技館の土俵で初対決を果たし「楽しかったです。いい思い出になりました。いつかは本場所でもやりたい」と目を輝かせた。

 次の春場所(3月8日初日、大阪府立体育会館)の新番付では自己最高位(西前頭5枚目)の更新は確実。人気のみならず、実力も着実につけてきている。先場所は平幕の徳勝龍(33=木瀬)が20年ぶり2人目の幕尻優勝を果たすなど、今の土俵は誰が優勝してもおかしくない状況。両者による決定戦の可能性もゼロとは言い切れない。

 一方の白鵬は炎鵬の成長について「日々、実感している」と認めつつも、本場所での対戦には「絶対にないでしょうね」とも…。果たして、大横綱が現役生活を終える前に夢対決は実現するのか。今後の炎鵬の頑張りにかかっている。