【大相撲】日本相撲協会理事選が12年ぶり無風決着 浮き彫りになった「貴の乱」の功罪

2020年01月31日 16時40分

 角界の選挙戦が12年ぶりに“無風”に終わった裏には――。

 日本相撲協会は30日、東京・両国国技館で1期2年の任期満了に伴う理事候補の立候補を受け付けたが、定員10人に対して立候補を届け出た親方は10人。6期12年ぶりに無投票で顔触れが決まった。八角理事長(56=元横綱北勝海)ら8人が現職。伊勢ヶ浜親方(59=元横綱旭富士)は復帰、花籠親方(60=元関脇太寿山)は新任となる。

 一方で、投票になった場合に劣勢が予想されていた現職の山響親方(49=元幕内巌雄)は立候補を断念した。10人の理事候補は評議員会の承認を経て3月の春場所後に正式に理事に就任。新たな理事メンバーで理事長を互選する。今回の無投票決着は元貴乃花親方(47=元横綱、花田光司氏)の角界引退と無関係ではない。貴親方は2010年の理事選で当時所属していた二所ノ関一門の反対を押し切って出馬を強行。大方の予想を覆して当選を果たした「貴の乱」は今も記憶に新しい。過去5期の選挙戦は、貴親方を中心に角界内がシ烈な票争いをしていた時期と重なっている。その貴親方は18年10月に相撲協会を退職。貴親方が去ってから初めての理事改選が無風に終わり、角界は平穏を取り戻すことになった。

 その是非は別にして、貴親方の行動は角界の慣例だった年功序列や事前の根回しなど選挙の在り方に一石を投じた。ただ、出馬や票争いをめぐって対立が表面化するなど角界全体に“選挙疲れ”を招いていたことも確か。親方の一人は「今回は丸く収まって良かった」とつぶやいた。いずれにせよ、今回の無風決着で「貴の乱」の功罪が改めて浮き彫りになった格好だ。