大相撲初場所(東京・両国国技館)で大関貴景勝(23=千賀ノ浦)が優勝候補の本命に浮上している。6日目(17日)は幕内御嶽海(27=出羽海)を土俵際の突き落としで逆転勝ち。全勝の幕内正代(28=時津風)を1敗で追走している。取組後は「(調子は)普通じゃないですか。明日からも集中してやっていくだけ」と表情を引き締めた。

 今場所は白鵬(34=宮城野)と鶴竜(34=陸奥)の両横綱が相次いで途中休場。カド番の大関豪栄道(33=境川)も早々と優勝争いから脱落する中、看板力士として奮闘している。日本相撲協会の八角理事長(56=元横綱北勝海)は「(2日目に)負けた後も崩れない。あの(小さい)体で大関を張るのは難しいだけに、精神的な強さを感じる」と高く評価する。

 その上で「貴景勝は優勝を経験している。(1敗までの)他の力士は優勝争いが初めてのことだから。貴景勝が一つ抜け出したような感じ」とV候補の筆頭に挙げた。貴景勝自身も2020年の目標に自身2回目となる優勝を掲げている。もちろん、綱取りの条件となる「2場所連続優勝」を念頭に置いてのことだ。

 若き大関は「まず2回目の優勝をすることが上の番付(横綱)につながる。(綱取りは)優勝しない限りは始まらない」と意気込んでいるが、新年最初の場所で目標を果たせるか。