大相撲初場所(東京・両国国技館)で白鵬(34=宮城野)と鶴竜(34=陸奥)の両横綱が苦戦している。鶴竜は3日目(14日)に幕内北勝富士(27=八角)に押し出されて金星を与え、1勝2敗と黒星が先行した。昨年11月場所は初日に腰痛を発症して2場所連続の休場。今場所前には体調不良で調整にも大きな狂いが生じた。

 ただ、本人は実戦不足を否定。「相撲勘とかじゃない。やせすぎ。軽いから相手も残せる。体重を少しずつ戻しながらやっていくしかない」と先場所から5キロ程度減った体重に敗因を求めた。同じ日に、白鵬も幕内妙義龍(33=境川)に突き落とされて2日連続で金星を配給。取組後は「切り替える? 明日にならないとね…」と言葉少なだった。

 日本相撲協会の八角理事長(56=元横綱北勝海)は相次いで敗れた鶴竜と白鵬について「(2日目までに星を落として)勝ちたいという気持ちになっている」と精神面の焦りを要因に挙げた。両横綱は今年で35歳になる。昨年は鶴竜が1回、白鵬は2回優勝。体調さえ整えば結果を残す力があることを証明した一方、年6場所のうち皆勤したのが3場所ずつだった。

 今回の初場所を迎えるにあたり、鶴竜は「全6場所皆勤」、白鵬は「年間最多勝」を今年の目標に掲げた。どちらも一年を通じて万全の状態を維持することが前提となる目標だ。その志は別にして、両横綱の現状では高すぎるハードルである印象は否めない。早くも3日目の時点で15日間を全うすることは怪しい雲行き。両横綱の新年の抱負は「絵にかいたモチ」だったということなのか。