【大相撲九州場所】白鵬 “悪評”エルボーを解禁

2019年11月22日 13時00分

白鵬は遠藤(左)のアゴに強烈な“エルボースマッシュ”をぶち込んだ

 4場所ぶり43回目の優勝へ、大横綱もなりふり構っていられない。

 大相撲九州場所12日目(21日、福岡国際センター)、横綱白鵬(34=宮城野)は小結遠藤(29=追手風)を退けて1敗を堅守。後続との勝ち星が2差に開いて迎えた一番は、立ち合いで遠藤の顔面を左で張ると、右で強烈なカチ上げをアゴ付近に見舞った。さらに右と左で一発ずつ“ワン・ツー”で張り手を食らわせ、最後ははたき込んで勝負を決めた。

 立ち上がった遠藤の鼻からは真っ赤な鮮血が滴り落ち、観客を凍りつかせた。横綱が見せた荒々しい攻め。この日に見せたエルボーばりのカチ上げは、しばらく見せていなかった手だ。以前には横綱審議委員会から「横綱らしくない」と取り口を批判され、白鵬自身も封印していた時期がある。大相撲中継で解説を務めた舞の海秀平氏(51=元小結)は「このヒジ打ちは見ていて後味が悪い」と苦言を呈した。

 それでもあえて勝負に徹した。その是非は別にして、こういう時の白鵬は強い。大横綱にとっては「令和」の新元号での初優勝。そして9月の日本国籍取得後の初優勝でもある。V争いの流れが決まる勝負どころで、手段を選ばず勝ちにいく姿勢を見せたのだ。

 取組後の白鵬は「(立ち合いは)まず起こしてから攻めたかった。最終的には、はたき込みになりました」と淡々とした口ぶり。最速で13日目(22日)に優勝が決まる状況にも「一番一番です」と口元を引き締めた。今場所は横綱鶴竜(34=陸奥)ら上位陣が次々と休場で姿を消した。一年の納めとなる九州場所の最後は、大横綱が締めくくる可能性が高まった。