大相撲九州場所(10日初日、福岡国際センター)に出場が決まった貴景勝(23=千賀ノ浦)は、大関として真価が問われる場所となりそうだ。

 9月の秋場所千秋楽で左大胸筋を部分断裂。九州場所の出場が危ぶまれる中、稽古を再開した10月29日の時点で「出ます」と公言していた。ただ、角界では最終的に出場の可否を決める権限は師匠にある。千賀ノ浦親方(58=元小結隆三杉)が認めなければ出場できない。

 実際、千賀ノ浦親方は7月の名古屋場所で右ヒザに不安を抱えていた貴景勝の出場にストップをかけている。場所前の稽古で関取衆と相撲を取ることすらできていなかったからだ。千賀ノ浦親方は、出場を直訴する弟子を4時間以上にわたって説得。最後は貴景勝が師匠の判断を受け入れた。

 そして、今回は…。7日に福岡・篠栗町の部屋宿舎で調整した貴景勝は幕内隆の勝(24)と相撲を10番取って7勝3敗。稽古後に千賀ノ浦親方が出場の意思を確認すると本人は「はい、大丈夫です」とキッパリ。師弟の話し合いは、なんとわずか1分足らずで終わった。千賀ノ浦親方は「最終確認をしました。出場します」と明言。「(状態は)考えていたより非常に良くていい仕上がり」とゴーサインを出した。

 今回は部屋や一門の関取衆との稽古に加えて、前日6日には自ら志願して追手風部屋へ出稽古。積極的に関取衆と稽古をする姿勢を示すことで、師匠を納得させた。あとは、土俵で結果を残せるかどうか。