【秋場所】貴景勝が白星発進 大関返り咲きへ終盤戦が大きなヤマ場

2019年09月09日 11時30分

突き落としで大栄翔に勝った貴景勝

 再び看板力士になれるのか。大相撲秋場所初日(8日、東京・両国国技館)、関脇貴景勝(23=千賀ノ浦)が幕内大栄翔(25=追手風)を突き落としで退けて白星発進。1場所での大関返り咲きへ向けて好スタートを切った。ただ、大関に復帰するための条件となる10勝は決して簡単なハードルではない。長丁場となる15日間は、最後まで気の抜けない戦いが続くことになりそうだ。

 貴景勝が大関復帰へ向けて幸先の良いスタートを切った。大栄翔との激しい突っ張り合いの末、最後は鼻血を出しながら突き落としを決めた。新大関の5月場所は右ヒザを痛めて途中休場。カド番の7月場所も全休して大関の座から2場所で陥落した。この日は体勢を崩される場面もあったが、右ヒザでしっかりと踏ん張るなど故障の不安を感じさせない動きを見せた。

 取組後は「(本場所に)出られなかったので、相撲を取れる喜びを感じながらやろうと思った。仕事場に帰ってきた」。約4か月ぶりとなる白星以上に、相撲を取れることの充実感を口にした。審判部副部長の藤島親方(47=元大関武双山)は「今日の内容ならいけるのでは。当たっているし、いなしにも残っている。(ヒザに)力は入っているように見えた」と合格点を与えた。

 ただ、大関復帰の条件となる10勝は決して簡単なハードルではない。現役時代に「平成の怪物」の異名を取った藤島親方自身も、貴景勝と同じ大関2場所で関脇へ陥落。翌場所に10勝して返り咲いた。その経験から「いかに無欲でいけるか。通常の大関昇進と違って、10勝すれば絶対に上がるわけだから。10勝が近づいてきた時に(精神状態が)どうなるか」と指摘した。

 大関から関脇へ陥落して1場所で戻ったのは過去に6例(5人)しかいない(現行制度以降)。いずれのケースも初日と2日目は連勝でスタートし、格下が相手の序盤戦を2敗以内で乗り切っている。一方で、最終成績は6例のうち5例が10勝どまり(最高は11勝)。早々と10勝して大関復帰を決めた例はなく、終盤戦の13日目から千秋楽にかけてギリギリで条件をクリアしている。

 貴景勝自身も「(通常の大関取りが)3場所で33勝のところを10勝で戻れる。つかみたいと思うけど、つかめなくても腐らずにやり続けることが大事。そんなに甘くない」と厳しい戦いを覚悟しているが…。果たしてどうなるか。終盤戦が大きなヤマ場となりそうだ。