「暴力騒動」の影響は? 大相撲秋場所(8日初日、東京・両国国技館)を控えた5日、大関復帰を目指す関脇貴景勝(23=千賀ノ浦)が東京・台東区の部屋で場所前の稽古を打ち上げた。この日は立ち合いの踏み込みの確認やぶつかり稽古で胸を出すなどして汗を流した。

 7月場所は右ヒザの故障で全休し、大関から関脇へ陥落。その後はリハビリと治療を優先し、場所前の関取衆との稽古は合計15番にとどまった。実戦的な稽古の不足が不安視される中、貴景勝は「(調整は)順調だと思います。あとはコンディショニング。自分の100%の状態に持っていく。(場所前の稽古内容に)全然不安はない」ときっぱり。大関復帰の条件となる10勝へ向けて「大関に戻るという気持ち。つかみたいと思っています」と意気込んだ。

 本番直前になって部屋は激震に見舞われた。十両貴ノ富士(22)が付け人の序二段力士に暴力を振るっていたことが発覚。この日は日本相撲協会のコンプライアンス委員会が暴力行為の目撃者とみられる部屋の若手力士から都内で約1時間半にわたって聞き取りを行った。同委員会による調査は秋場所期間中も行われる予定で、落ち着かない日々が続くことになる。

 それでも貴景勝は「(部屋として)なかなか難しいけど、自分に影響は全くない。自分はやるべきことをやるだけ。相撲に集中する」と言い切った。昨年9月場所後に前師匠の貴乃花親方(花田光司氏=47)が相撲協会を退職し、貴景勝は千賀ノ浦部屋へ移籍。翌11月場所では慣れない環境の中で初優勝を果たしているが…。今回はどうなるか。