大相撲秋場所(9月8日初日)を控え、横綱審議委員会による稽古総見が31日、東京・両国国技館で行われ、大関から関脇へ陥落した貴景勝(23=千賀ノ浦)が参加した。

 関取衆と相撲を取るのは、5月場所で右ヒザを負傷して途中休場して以来3か月半ぶり。関脇御嶽海(26=出羽海)を一気に押し出すなど3勝2敗で、ケガの不安を感じさせない動きを見せた。

 貴景勝は「自分の中で今日は一つのバロメーターだった。国技館の本土俵でやって、目で慣れる部分もある。お客さんの角度(見え方)もあるし、土俵の高さ、砂の感覚とかも全部、初日が始まる前に1回経験できたのはすごく良かった」と大きな収穫を得た様子。「ここ2場所はずっとテレビで見ていたから、純粋にうれしい」と相撲を取れる喜びを口にした。

 今場所で大関に復帰するためには10勝が必要。1週間後に迫った本番へ向けて「自分の中で今場所は大事。(復活へ向けて)いいきっかけをつかめるか、このままズルズルいくのか。気負わず頑張っていきたい。お客さんやファンの皆さんをガッカリさせるような相撲だけは取りたくない」と気持ちを引き締めた。