綱取り稀勢に2人の刺客

2013年06月16日 16時00分

稽古に励む稀勢の里

 包囲網を突破できるか――。大関稀勢の里(26=鳴戸)が大相撲名古屋場所(7月7日初日、愛知県体育館)で綱取りに挑む。和製横綱誕生の期待が高まる一方で、綱への道のりは決して平坦ではない。ライバル陣営から徹底マークされることになったからだ。

 

 

 稀勢の里は夏場所で13勝をマーク。優勝した横綱白鵬(28=宮城野)に次ぐ好成績で名古屋での綱取りに望みをつないだ。北の湖理事長(60=元横綱)は横綱昇進の条件を「13勝以上での優勝」に設定。稀勢の里は「来場所に向かってパワーアップしないといけない」とさらなる上積みに意欲を見せる。ただ綱への道は平坦ではない。ライバル陣営からの徹底マークが最大の理由だ。

 

 中でも稀勢の里の「綱取り阻止」に執念を燃やしているのが、琴欧洲(30)と琴奨菊(29)の2大関を擁する佐渡ヶ嶽部屋だ。師匠の佐渡ヶ嶽親方(45=元関脇琴ノ若)は「琴欧洲は今いる大関の中で一番(在位が)長い。琴奨菊も(同じ和製大関の活躍に)相当な刺激を受けている。先を越されるわけにはいかない。名古屋に入ったら『やるぞ』と言うつもり」。

 

 部屋から横綱を出すことは両大関の入門時の師匠である先代佐渡ヶ嶽親方(故人=元横綱琴桜)からの悲願だった。先の夏場所前に両大関は鳥取・倉吉市にある「琴桜記念館」に足を運び、決意を新たにしたばかり。横綱の人数は慣例で「4人まで」とされており、貴重な枠を簡単に譲り渡すわけにはいかない。

 

 ちなみに、琴欧洲は稀勢の里との直接対決で通算26勝14敗。琴奨菊は26勝17敗で夏場所千秋楽にも撃破しており、2人とも“刺客”の有力候補だ。もちろん佐渡ヶ嶽勢のほか、白鵬と日馬富士(29=伊勢ヶ浜)の両横綱も潰しにかかるだろう。着々と狭まる包囲網を、突破することができるか。