【大相撲名古屋場所】大関・高安 勝ち越し翌日に休場で協会幹部が苦言 カド番回避?

2019年07月18日 13時00分

10日目の取組後、高安は左ヒジを気にするしぐさを見せていたが…

 異常事態だ。大相撲名古屋場所11日目(17日、愛知県体育館)、大関高安(29=田子ノ浦)が左ヒジの負傷で途中休場。昭和以降で初めて4大関が不在となった。日本相撲協会は、この日に予定されていた高安と横綱白鵬(34=宮城野)の取組が消滅したことを問題視。高安が休場に至るまでの経緯をめぐって、角界内には大きな波紋が広がっている。

 この日、高安は日本相撲協会に「左肘関節内側側副靱帯断裂で約1か月間の休養加療を要する見込み」との診断書を提出して休場。すでに休場している貴景勝(22=千賀ノ浦)、栃ノ心(31=春日野)、豪栄道(33=境川)に加えて4大関が全滅する事態となった。4大関以上が不在となるのは昭和以降では初めて。異常事態と言える。

 八角理事長(56=元横綱北勝海)は「横綱戦がなくなるのは申し訳ない。ほとんどの人が横綱の相撲を楽しみにしている。ケガをしたくてしているわけじゃないんだけど…」と謝罪。高安の師匠、田子ノ浦親方(43=元幕内隆の鶴)も「動かした時に痛みがあるし、力が入らない。次の場所に間に合うように治療をさせたい。名古屋のファンの方々のことを考えると本当に申し訳ない」と頭を下げた。

 一方で、この日の休場をめぐって角界内に波紋を呼んでいる。高安の診断書を見ても、重傷であることは明らか。4大関不在は一人だけの責任ではない。今回、問題視されているのは「大関全滅」ではなく、高安の休場に至るまでの経緯だ。

 高安は8日目(14日)の取組で左ヒジを負傷。翌日以降もテーピングとサポーターを施して強行出場を続け、10日目(16日)に8勝目を挙げた。

 その取組後は残り5日間の出場へ意欲も口にしていた。実際、10日目終了時点では2敗の高安にも逆転優勝の可能性はあった。しかも、この日は1敗の白鵬との直接対決。横綱を倒せば優勝に近づく取組は今場所の行方を左右する大一番になるはずだったが…。「高安休場」の知らせに、大入りの館内の観客から大きなタメ息が漏れたことは言うまでもない。

 相撲協会の幹部は「大関としての自覚がない。昨日(10日目)勝ち越した時点で、今日は最初から出るつもりがなかったと見られても仕方がない」とバッサリ。大関は勝ち越しではなく、優勝争いが求められる立場。それができないのならば、8日目に負傷した時点で休場する選択肢もあった。ところが高安は強行出場して勝ち越すや否や、白鵬戦を回避して休場を選択。場所の盛り上がりに水を差した格好で、角界では当初から来場所の「カド番回避」だけが目的だったと受け止められている。看板力士としての自覚がないということだ。

 先の5月場所も貴景勝が大関では異例の再休場となり、不評を買ったばかり。高安の休場で、大関の在り方が改めて問われる格好となった。

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