平幕V朝乃山 令和の主役になれるか

2019年05月27日 16時30分

杯を手に笑顔の朝乃山。師匠の高砂親方(左)も喜んだ

 大相撲夏場所千秋楽(26日、東京・両国国技館)、前日14日目(25日)に初優勝を決めた幕内朝乃山(25=高砂)が小結御嶽海(26=出羽海)に寄り切られて12勝3敗で15日間を終えた。今場所は横綱白鵬(34=宮城野)、新大関貴景勝(22=千賀ノ浦)が休場。他の横綱大関陣も崩れる中での活躍が評価され、殊勲賞と敢闘賞をダブル受賞した。

 三役経験がない平幕力士の優勝は1961年夏場所の佐田の山以来58年ぶり。富山県出身力士の優勝は第22代横綱の太刀山以来、103年ぶりの快挙となった。表彰式の優勝インタビューでは初めて天皇賜杯を抱いた感想を問われ「重たかったです」。トランプ米大統領(72)から授与された「アメリカ合衆国大統領杯」については「言葉に表せないほどうれしかったです」と喜びに浸った。

 この一年は突き押し相撲の力士が結果を残してきたが、朝乃山は角界内でも四つ相撲の「本格派」として期待される存在だった。尾車親方(62=元大関琴風)は「ケガをしないで力を伸ばしていけば、大関や横綱も夢じゃない」と高く評価し「朝乃山や貴景勝の活躍で若手が奮起すれば活気づく」と土俵全体への波及効果を期待している。

 ただ、朝乃山自身は千秋楽を白星で締めくくれなかったこともあり「次の場所で、優勝がまぐれだと思われないように精進していくしかない。一段と強くなったところを見せたい。これで終わりじゃない。まだ先がある。看板力士になりたい」と言って表情を引き締めた。角界が世代交代の過渡期にある中で誕生したスター候補は、新時代の主役となれるのか。