大相撲夏場所6日目(17日、東京・両国国技館)、大関から関脇へ陥落した栃ノ心(31=春日野)が幕内逸ノ城(26=湊)を寄り切り6連勝。体重227キロの相手との力比べを制し「腕がパンパン。勝てて良かった。気持ちがいいね」と笑顔を見せた。1場所で大関に復帰できる10勝まで、あと4勝とした。

 栃ノ心には実現させたい夢がある。母国ジョージアでは、マットを敷いた簡易土俵で相撲を行うのが主流のため、かねて本物の土俵をつくることを目標にしてきた。大関に昇進して凱旋帰国した昨年6月に政府へ直訴。その後に約2000坪の土地を無償で譲り受けることが決まったが「建物を建てるカネがない…」。

 思い描いているのは建物内に土俵がある日本の「相撲部屋」のイメージだ。栃ノ心によると、建設には3000万~4000万円ほどの資金が必要になるという。大関復帰、さらに横綱となれば“スポンサー”の獲得が容易になるのは言うまでもない。栃ノ心は「将来の子供たちのためにも本物の土俵が欲しい」と今も変わらぬ思いを口にした。

 このまま白星を重ねれば大関復帰どころか、2度目の優勝も現実味を帯びてくる。まずは目の前の一番に集中する構えだ。