弟子と〝別居〟の貴親方に警告

2012年06月01日 12時00分

 貴乃花親方(39=元横綱)が日本相撲協会から思わぬ形で〝警告〟を受けたことが判明した。現行の部屋制度では師匠は弟子とひとつ屋根の下で、共同生活をすることが原則とされているなか、貴乃花親方を含む一部の親方は部屋とは別に自宅を構えている。この師弟の〝別居状態〟を協会側が問題視し、クギを刺したのだ。

 

 相撲協会が異例の〝警告〟を出したのは、24日に国技館で開かれた師匠会での席上だった。

 

 出席した親方衆全員に対して「師匠は弟子と一緒に生活することが原則」と異例の通達をした。その場では名指しこそされなかったものの、一部の親方に向けられていることは明らか。貴乃花親方も東京・中野の部屋とは別の場所に自宅を構えており、事実上の「通勤生活」を送っている。

 

 大相撲の部屋制度は師匠と弟子が共同生活することが基本。角界の師弟関係が「親子以上の絆」と言われるのも、同じ屋根の下で寝食をともにしていればこそだ。これが角界の〝古き良きしきたり〟でもあった。十両以上の関取は結婚すれば部屋を離れて生活することが一般的だが、師匠自らが部屋から出て行ってしまうのは角界の伝統とルールに照らせば〝常識外〟の行為とも言える。

 

 実際、貴乃花親方らに向けては以前から親方衆の間で「一緒に生活していないと弟子の行動に目が行き届かなくなる」「弟子が何か問題を起こしたときに、どう責任を取るのか」などと疑問が投げ掛けられていた。相撲協会は異例の通達を出すことで、こうした師弟の別居状態に改めてクギを刺した格好だ。

 

 一方で、貴乃花親方は弟子の貴ノ岩(22)が名古屋場所(7月8日初日、愛知県体育館)で新十両に昇進。部屋継承後初めてとなる関取を育て上げた。会見では「教える方が迷ってはいけない。先代から教わったことをいかに伝えるかを意識してやってきた」と話したが、今後は師弟ともども注目を集める機会が増える。別居生活が危機管理面での〝アキレス腱〟とならなければいいのだが…。