大相撲夏場所(12日初日、東京・両国国技館)の新番付が発表された30日、横綱白鵬(34=宮城野)が「令和」で迎える最初の本場所制覇に意欲十分だ。

「平成」では最後の春場所を42回目の優勝で締めくくったが、今場所は内弟子(自身が将来師匠になる前提で入門させた力士)の炎鵬(24)が新入幕を果たした。横綱土俵入りは炎鵬が太刀持ち、幕内石浦(29)が露払いを務める予定で、内弟子2人との“揃い踏み”が初めて実現する。

 白鵬は「同じ部屋(の力士)で土俵入りはあるけど、内弟子の土俵入りは今までになかったのでは。相撲人生の中で一つの夢がかなう。うれしい」。かねて「大記録」や「節目の場所」を重んじてきただけに、モチベーションは高い。

 ただ、出場の可能性は現時点で“五分五分”といったところか。先場所の千秋楽(3月24日)で右腕を負傷。春巡業では相撲を取る稽古を再開できず、現在も通院して治療を続けている。白鵬も「(意欲だけでは)どうにもならない時もある。勝負に似ていて、いい体勢になっても無理に出た時に落とし穴がある。じっくり構えて時を待つというのかな」と慎重な姿勢を見せた。

 白鵬には、東京五輪が開催される来年の2020年まで現役を続ける最大の目標がある。目先の発奮材料があるとはいえ、より大きな目標のために出場を見送ったとしても不思議ではない。

 一方で、大横綱は春場所千秋楽の優勝インタビューで三本締めを行い、日本相撲協会から「けん責」の懲戒処分を受けた。この日の会見では「勉強不足だった。自分でも残念に思うし、協会と相撲ファンに迷惑をかけてしまった。新しい元号の令和が始まるわけですから、自分も変わらないといけない。“新生白鵬”というものを見せられれば」と改めて反省の言葉を口にした。平成の大横綱は、令和の時代にどんな姿を見せるのか。