大相撲春場所(10日初日、大阪府立体育会館)で大関昇進が懸かる関脇貴景勝(22=千賀ノ浦)について、昇進問題を預かる日本相撲協会審判部の阿武松部長(57=元関脇益荒雄)は8日、結果よりも内容を最重視する方針を示した。

 大阪市内での取組編成会議後に「星数より内容が大事。激しい突き、押しの正攻法で、これぐらい勝てるんだというものを見せてほしい」と話した。貴景勝は小結で初優勝した昨年11月の九州場所で13勝、新関脇の先場所は11勝。大関昇進の目安は直前3場所合計33勝とされるが、阿武松部長は数字にこだわらず「内容を見る」と強調した。

 同部長は先場所13勝2敗で初優勝した関脇玉鷲(34=片男波)に対し「勝ち進んでいけば声が上がってくるかもしれない」と内容や成績次第で昇進の可能性を示唆。展開次第で1994年初場所後の武蔵丸、貴ノ浪以来となる25年ぶりの同時大関昇進への期待が膨らんできた。

 この日の会議では2日目までの取組も決まり、貴景勝は、初日に過去5戦全勝の幕内妙義龍(32=境川)、2日目は幕内錦木(28=伊勢ノ海)との対戦が組まれた。玉鷲は初日に錦木と対戦する。