日本相撲協会は8日、東京・両国国技館で理事会を開き、鳴戸部屋で昨年9月から今年1月にかけて発生した暴力事案についての処分を決定した。  同部屋の三段目力士Aが未成年の弟弟子Bに対して締め技をかける行為を繰り返しただけでなく、別の弟弟子2人(成年と未成年)に命じて同様の暴力行為をさせたことについて、理事会では危険で悪質であることから「引退勧告」に相当することを確認。ただ、この日までにAが自ら引退届を提出していたため、勧告は行わずに引退届を受理する形で決着した。師匠の鳴戸親方(35=元大関琴欧洲)には監督責任で「報酬10%減額、3か月間」、暴力に関与した弟弟子2人には「注意」(成年)と「指導」(未成年)の処分とした。  協会は昨年12月、力士の暴力に対する処分基準を制定。幕下以下の力士は「出場停止」「けん責」などを目安としていた。今回は基準より重い処分を下した格好。芝田山広報部長(56=元横綱大乃国)は「(暴力の内容から)厳しい処分を下すしかない」と話した。