貴乃花親方は26日、東京・両国国技館で行われた大相撲九州場所(11月11日初日)の番付編成会議を無断欠席した。

 協会側が「引退届」を受理していないため、審判部所属の貴乃花親方は出席する必要があった。しかし本人は引退会見まで行ったことで、協会員である自覚はなくなっているようだ。

 貴乃花一門(6月に消滅)で同志だった阿武松審判部長(57=元関脇益荒雄)は「欠席です。連絡はなく、連絡も取れなかった」と説明。かつて行動をともにした同志と今後話し合いの場を持つかについては「私の立場では何とも言えない」と話すにとどめた。

 また錦戸審判部副部長(56=元関脇水戸泉)は、貴乃花部屋所属力士の千賀ノ浦部屋への唐突な移籍に関して「残された弟子のことを思うとかわいそう。今まで対戦してきたわけだから、ポンと来られても困ると思う。半年とかちゃんと準備が必要。部屋の中で(それぞれがグループに)分かれてしまうかもしれない」と懸念を示した。

 一方、この日は千賀ノ浦親方(57=元小結隆三杉)と担当弁護士らが貴乃花部屋を訪れ、所属力士の移籍手続きや親方の退職に向けた手続きを進めた。移籍書面に署名、押印したという千賀ノ浦親方は「貴乃花部屋の力士たちを受け入れる方向で協会と調整している」と前向きな姿勢を示し、貴乃花親方から「申し訳ありませんが、どうしても親方にお願いします」と言葉をかけられたことを明かした。