貴乃花親方 引退の裏に協会圧力「告発状は事実無根だと認めるよう要請あった」

2018年09月25日 20時20分

引退会見を行った貴乃花親方

 貴乃花親方(46=元横綱)が25日、日本相撲協会に引退届を提出し、都内で行った会見でその経緯を説明した。

 最終結論を出したのはこの日朝。「3月9日に貴ノ岩の傷害事件に対する協会の対応に対して、内閣府公益認定等委員会に告発状を提出。その後告発状を取り下げ、降格処分を真摯に受け止め、親方の業務、審判業務に粛々と従事してきた。しかし8月7日、外部弁護士より書面が届き、告発状は事実無根な理由でなされたものと結論づけられていた。告発内容は事実無根であることを認めるように要請され続けたが、告発は事実無根だと認めることは私にはできない」と経緯を説明した。

 さらに協会理事会で「全ての親方は一門のいずれかに所属しなければならず、一門に所属しない親方は部屋を持つことができない旨の決定」がなされたことも影響した。貴乃花親方は今年の秋場所中に、ある親方から圧力があったことを明かした。「いずれかの一門に入るための条件として、告発の内容は事実無根な理由に基づいてなされたものであると認めるようにとの要請を受けた」。弟子を今後も指導していきたい気持ちは強かったが、自身の信念を曲げてまで告発が事実無根であると認められず、引退を決断するに至った。

 貴乃花部屋所属の力士、床山、世話人は全て千賀ノ浦部屋に移籍する。千賀ノ浦親方(57=元小結隆三杉)は、1995年に現役を引退し、貴乃花部屋の前身の二子山部屋、貴乃花部屋の部屋付親方として後進の指導に当たってきた。この日朝に師匠自ら弟子たちに引退について説明。貴乃花親方は「弟子たちが土俵の上で活躍することが一番。今後は側面から見守っていくと伝えた。ほぼ全員が涙ながらに聞いていた。弟子たちが活躍してくれることを願って、それを喜びと感じていきたいという思いがある」と語った。

 親方を続けたまま協会執行部と対立しては、弟子に迷惑がかかるという思いも今回の引退の一因になっているが、告発状に関する見解を異にする協会側と争う姿勢はすでになくなっている。この日の会見では、協会に対する意見を求められても「特にございません。力ある力士を健全に育てていただきたい」と多くを語らなかった。

 今後については「土俵には携わっていきたい。具体的なことは何も考えられていない。これから考えていきたい」と話しつつも「入門を希望する子供に(相撲を)少しでも教えられたら」とも語った。

 この日は唐突にも感じられる決断に後悔を見せなかったが、それを悔いる日が来ないことを祈るばかりだ。