【大相撲秋場所】白鵬になす術なく完敗の稀勢の里に進退問題再燃も

2018年09月22日 13時00分

白鵬(右)に寄り切られた稀勢の里はガックリ

 大相撲秋場所13日目(21日、東京・両国国技館)、稀勢の里(32=田子ノ浦)が白鵬(33=宮城野)との横綱対決で完敗を喫した。優勝へ突き進む大横綱と、崖っ縁に立つ和製横綱の差が結果となって表れた。ここまで9勝(4敗)を挙げて引退危機こそ免れたものの、相撲内容は完全復活には程遠い。来場所以降も厳しい戦いが続くことになりそうだ。

 復活した和製横綱が横綱と初めて向き合った“ライバル対決”で完敗を喫した。白鵬に左を差されると、土俵際まで後退。右もこじ入れられてもろ差しを許すと、何もできないまま力なく土俵を割った。支度部屋では、悔しさを押し殺すように報道陣からの質問に無言を貫いた。

 白鵬と最後に対戦したのは昨年1月場所で、稀勢の里が勝ち星を挙げて優勝を果たした。同年3月場所は白鵬が休場し、5月場所以降は稀勢の里が左上腕などのケガで8場所連続休場。両雄の“すれ違い”が続いていた。約1年8か月ぶりに実現した直接対決は、両横綱の現状が“勝負”に直結した格好だ。

 日本相撲協会の八角理事長(55=元横綱北勝海)は「白鵬の立ち合いが厳しかった。稀勢の里は、ただ左を差しにいくだけ。自分から攻めていない」と分析。今後の復活へ向けては「体調を整えることだ。(稀勢の里自身も)まだ今場所は万全じゃないと思っている。優勝争いをしている横綱と、そうじゃない横綱の気力の差もある」と課題を挙げた。

 白鵬は優勝争いで独走し、賜杯は目前。一方の稀勢の里は格下相手に取りこぼし、勝った相撲も快勝と呼べる内容はわずかしかなかった。今場所に関しては、白鵬と戦う前から対等に張り合える状態ではなかった。

 審判部副部長の藤島親方(46=元大関武双山)は「白鵬は勝負どころも強いし、取りこぼしもしない。それは強い。今までも稀勢の里が白鵬を倒した時は左四つ。左をこじ入れていくのか、右上手を取りながら差すのか。いろんな形を稽古するしかない」と稀勢の里の打開策を示した。

 注目の横綱対決は、白鵬の完勝に終わった。今場所の引退危機こそ脱したとはいえ、稀勢の里が今後もふがいない相撲を続ければ、別の形で進退問題が再燃することになる。ここから完全復活を果たし、両横綱が再び名勝負を繰り広げる日は来るのか。