大関取りに“黄信号”が点灯した。大相撲秋場所9日目(17日、東京・両国国技館)、関脇御嶽海(25=出羽海)が横綱白鵬(33=宮城野)に寄り切られて3敗目。上手を引いて頭をつけながら勝機をうかがう場面もあったが、最後は力の差を見せつけられた。取組後は花道を引き揚げる途中で「アーッ、クソッ!!」と大声を上げて悔しがると、支度部屋では報道陣を避けるように背中を向けた。

 大関昇進の目安は三役(関脇・小結)の地位で3場所合計33勝以上とされている。御嶽海の場合は5月の夏場所は9勝、7月の名古屋場所は13勝で初優勝を果たしており、今場所は11勝以上が実質的なノルマ。数字上は残り6日間で1敗しかできない計算となった。しかも、先場所は3横綱が休場して不在の中での優勝。今場所前に「(横綱と対戦する)後半戦が勝負。しっかりモノにしたい」と自らポイントに挙げていた重要な一番で横綱の分厚い壁にはね返された。

 いずれにせよ、この日の黒星で大関取りのムードが大きくしぼんでしまったことは確かだ。日本相撲協会の八角理事長(55=元横綱北勝海)は「上(大関)を目指すなら、勝たないと苦しい。横綱に負けても(それ以外に)全勝できていれば別だが…」と厳しい見解を示した。

 ここで踏みとどまることができるのか、それともズルズルと後退してしまうのか。新世代の大関候補が正念場を迎えた。