【大相撲秋場所】稀勢の里復活の相乗効果か 29年ぶり3横綱が無傷4連勝

2018年09月13日 14時00分

稀勢の里は鼻血を出しながらも4連勝を飾った

 光明が見えてきた!? 大相撲秋場所4日目(12日、東京・両国国技館)、8場所連続休場からの復活を目指す横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が幕内魁聖(31=友綱)を寄り切って無傷の4連勝。「引退危機」からの脱出へ向けて一歩前進した。白鵬(33=宮城野)と鶴竜(33=井筒)を含め、3横綱が初日から4連勝するのは29年ぶり。和製横綱の奮闘が相乗効果をもたらしている。

 稀勢の里が苦しみながら初日からの連勝を伸ばした。立ち合いは左を差して前に出ようとするが、195センチ、207キロの巨漢を攻めきれない。先に上手を許す劣勢からまわしを切ると、最後は頭をつけて必死の形相で寄り切った。取組直後には鼻から鮮血が流れ落ちる激闘だった。支度部屋では「辛抱した? うん。しっかりやりました。一日一番、しっかり集中して。明日もやっていきたい」と言って口元を引き締めた。

 魁聖には過去に11戦全勝。本来なら圧倒しなければいけない相手だ。相変わらず格下に苦戦が続く一方で、着実に白星を積み重ねていることも事実。稀勢の里の“奮闘”は、他の横綱にも影響を及ぼしている。和製横綱の後に登場した白鵬と鶴竜も白星で続いた。3横綱全員が初日から4連勝するのは1989年3月場所(北勝海、千代の富士、大乃国)以来、29年ぶりのことだ。

 3横綱が全員休場した7月場所とは正反対の状況に、審判部副部長の藤島親方(46=元大関武双山)は「相乗効果になっている。3横綱が意識し合っているんじゃないか」と指摘した。実は、8月の夏巡業中に3横綱が食事をともにする機会があった。その場で、どんな会話が交わされたのかはうかがい知れない。ただ、負けが許されない横綱の胸の内は、同じ地位に立つ者だけが理解し合えることは確かだ。

 4場所ぶりに初日から顔を揃えることになった3横綱が、互いに刺激を受けないはずはない。かねて鶴竜は「(横綱全員が)1回も千秋楽まで揃ってない」と3横綱による15日間の“完走”を熱望する。白鵬も初日の稀勢の里の相撲に「しびれたというか、感動した」と素直な感情を口にしていた。

 このまま終盤戦まで、三つどもえの優勝争いを繰り広げることができるのか。それこそがファンが見てみたい最高の展開と言えるが…。いずれにせよ、稀勢の里の今後の戦いがカギを握ることになりそうだ。