【大相撲秋場所】稀勢の里 3連勝でも厳しい見方変わらず

2018年09月12日 11時30分

豊山(手前)をどうにか突き落とした稀勢の里は土俵下でこの表情

 大相撲秋場所3日目(11日、東京・両国国技館)、8場所連続休場から復活を目指す横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が幕内豊山(24=時津風)を退けて初日から3連勝。幕内通算707勝とし、武蔵丸を抜いて歴代単独7位に浮上した。取組後の支度部屋では「フウーッ」と大きく息を吐き出すと「立ち合いをしっかり集中して、あとはしっかりやる気持ちで。また明日、しっかり集中してやりたい」と4日目以降へ、気持ちを高めた。

 初日から3連勝するのは新横綱で優勝した昨年3月場所以来。引退危機からの脱出に向けて、かすかな光が差し込んだ格好だ。ただ、相撲内容は2日目と同様の際どい逆転勝ちで安定感を欠いている。初顔合わせの豊山に土俵際まで押し込まれ、両足が俵にかかる窮地から突き落としで辛勝。夏巡業の稽古では圧倒していたはずの相手に思わぬ苦戦を強いられた。

 稀勢の里自身も場所前から「本場所と稽古場は違う」と話していた通り、相手が稽古では見せなかった力を発揮してくるのが本場所の怖さ。親方衆の間では依然として「ギリギリで何とか勝っている印象。一つ負けて流れが変わってしまえば、ズルズルと連敗することもあり得る」との厳しい見方が消えておらず、今後も苦しい土俵が続きそうな雲行きだ。

 この日も満員札止めとなった観客席から取組中に何度も悲鳴が上がるなど、安心して見ていられないのはファンも同じ。ひとまず星を伸ばしているとはいえ、今の戦いぶりには本人も決して納得はしていないはずだが…。ここから調子を上げて「横綱相撲」を見せることができるのか。