【大相撲秋場所】稀勢の里が横審稽古総見で見せた「軽さ」

2018年09月01日 16時30分

稽古後、ベンチで休んでいた稀勢の里は浮かない様子だった

 大相撲秋場所(9月9日初日)を控えた31日、横綱審議委員会による稽古総見が東京・両国国技館で行われた。8場所連続休場中の横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)は横綱鶴竜(33=井筒)、大関豪栄道(32=境川)、大関栃ノ心(30=春日野)を相手に4勝4敗。豪栄道と激しく突き合って押し出すなど、復調の気配をうかがわせる相撲もあった。

 稀勢の里は「良かったんじゃないですか。この総見がいいきっかけになってくれれば」と手応えを得た様子。横審の北村正任委員長(77=毎日新聞社名誉顧問)は「一時期よりはずっと良くなった。期待しています」と好印象を口にした。

 ただ全体的には立ち遅れて相手に押し込まれる場面が目立ち、完全に復活したとは言えない内容。この日の稽古を視察した相撲解説者の北の富士勝昭氏(76=元横綱)は「豪栄道との2、3番は気力も見えたけど、相撲らしいのはそれくらい。やっぱり、まだまだ。胸を合わせて取る相撲じゃないと(相手の)動きについていけない。最初は“どうしちゃったの?”というくらい軽かった」と指摘。さらに8番にとどまった稽古の番数にも“物言い”をつけた。

「多ければいいというものじゃないけど、この一番やらなきゃいけない時期に質量ともに物足りない。巡業中にビッシリやってきたなら別だけど。20日間以上の巡業で100番というのは少ない。1日(平均)5番でしょ」

 稀勢の里は先の夏巡業で昨年秋以来となる巡業皆勤を果たした。力士の稽古が行われた25日間で合計114番(96勝18敗)をこなしたが、北の富士氏の目には「稽古不足」と映っている。

 その和製横綱は自ら進退をかけて臨む秋場所へ向けて「やるべきことをやっていく。体をしっかりつくって土俵に上がりたい」と意気込みを示したが…。本番までの1週間で不安を払拭できるのか。正念場が続く。