大相撲の夏巡業が8日、東京・渋谷区の青山学院記念館で行われ、横綱白鵬(33=宮城野)が9日の巡業(茨城・龍ケ崎市)から休場することを明かした。7月の名古屋場所で右ヒザを痛めて4日目から途中休場。夏巡業は初日から参加したが、ここまで土俵上での稽古ができず取組も回避していた。この日の巡業終了後に患部の検査と治療のため病院へ向かった。

 白鵬は「(右ヒザに)ずっと違和感がある感じ。稽古をすると、もっと悪くなる」とケガの状態を説明。「これまでの治療が合っているのかどうか。最新の治療をするか、手術をするか。(手術で)切った場合は秋場所を休んで、九州場所で復帰できたら」と手術も選択肢に入れているという。ただ、簡単には手術に踏み切れない事情もある。

 かねて東京五輪が開催される2020年までの現役続行を目標に掲げている。現役生活は実質的に残り2年だ。仮に手術を受けたとして、本当に万全の状態で土俵に戻ることができるのか。33歳という年齢面を考慮しても、手術を回避できるのならそれに越したことはない。大横綱は「皆、ケガをしていますから。どう付き合っていくか。ここでメスを入れるかどうか…。(この先)5年、10年頑張るなら違うけど」と悩める胸中を打ち明けた。

 検査の結果次第では数日で巡業に復帰することも視野に入れる一方で、手術を決断すれば長期間の離脱は避けられない。いずれにせよ、次の秋場所(9月9日初日、東京・両国国技館)への影響が懸念される。前人未到の幕内通算1000勝(あと14勝)を目前にして、大きな“難題”を抱えることになった。