大関栃ノ心誕生!その怪力のルーツ

2018年05月30日 16時30分

ファンの祝福に応える栃ノ心

 日本相撲協会は30日午前、東京・両国国技館で大相撲名古屋場所(7月8日初日、愛知県体育館)の番付編成会議と臨時理事会を開き、関脇栃ノ心(30=本名レバニ・ゴルガゼ、春日野)の大関昇進を正式に決定。相撲協会から出羽海理事(50=元幕内小城ノ花)と審判委員の大鳴戸親方(44=元大関出島)が使者に立ち、東京・墨田区の春日野部屋で栃ノ心と師匠の春日野親方(56=元関脇栃乃和歌)に大関昇進を伝えた。ジョージア出身の「怪力大関」のルーツとは――。

「大関栃ノ心」が正式に誕生した。欧州出身者では3人目、ジョージアからは初の快挙。幕内屈指のパワーを生み出す肉体の土台は母国で築かれた。少年時代の遊びといえば、川や湖での釣り。網を使った本格的な漁もやった。水流に足を取られないように踏ん張りながら、仕掛けておいた網を手探りで引き揚げた。

 栃ノ心は「すごい大きな川で普通に入ったら死ぬ。毎年、誰かが死んでいた」。レバニ少年にとっては、遊びも命がけだった。家に帰れば、家業だったワイン造りを手伝った。「ブドウを足で踏む仕事をした。トレーニングみたいで大変。3時間ぐらいやると足がパンパンになる」。日々の生活の中で、自然と足腰が鍛えられていった。

 ジョージアは格闘技が盛んな国柄。栃ノ心も幼いころから慣れ親しんだ。並外れた体力を持っていた栃ノ心はメキメキと頭角を現し、サンボでは欧州王者、柔道でも欧州ジュニア王者に輝いた。ライバルたちとは勝ち負けだけではなく、競うように体を鍛錬し合った。「みんな体を鍛えるのが好きだった。タイヤを引っ張って勝負をしたりした」。互いに切磋琢磨する環境は優れた格闘家を次々と輩出した。

 サンボで張り合ったメラブ・ドバリシビリ(27)は米国の総合格闘技UFCで活躍。柔道で手ごわい相手だったラシャ・グゼジャニ(32)は2008年北京五輪の準決勝で石井慧(31)と対戦した。栃ノ心が柔道を続けていれば、五輪金メダリストになっていた可能性も。もちろん、角界入りして新大関となった栃ノ心に後悔はない。

「五輪は4年に1回しかないし、出れても2回か3回。優勝できたかどうかは分からない。相撲では優勝できた。相撲界に入って良かった。気持ちと体がついていく限り、やりたい」。初場所では天皇賜杯、夏場所では大関の地位を手に入れた。次に目指すものはもちろん大相撲の頂点、横綱だ。

 ◆しこ名 師匠の春日野親方が「日本の心を持ってほしい」との願いを込めて命名。

 ◆怪力 握力は左右ともに90キロ前後。本人いわく「(握力計に)指が入らないから(実際は)もっと強い。リンゴも潰せるよ」。

 ◆好物 肉、すし(トロ、ウニ、イクラ)など。アイスやシュークリーム、プリンなどのスイーツも大好き。

 ◆苦手「ヘビは一番嫌い。触れない」。ちなみに好きな動物はイヌ。

 ◆趣味 風呂。本場所の取組後は長めの入浴でリラックス。部屋近くのサウナもお気に入り。「サウナの後のコーラはうまい」。巡業先で温浴施設を探すことも楽しみの一つ。

 ◆体調管理 本場所中は禁酒。丼1杯の水にスプーン2杯のハチミツを投入した特製ドリンクを毎朝常飲。昼と夜はヨーグルトを1パックずつ。就寝時にはむくみ防止ソックスをはく。

 ◆特技 料理。包丁を6本所有する本格派。ジョージア産ハーブなどスパイスにもこだわる。夏場所中は納豆オムレツ、肉巻きアスパラのバター焼き、豚肉と牛肉をトマトで煮込んだ鍋などを自炊した。