【大相撲夏場所】初連覇の鶴竜 白鵬とダブル帰化へ

2018年05月29日 11時00分

5度目の優勝を果たした鶴竜

“ダブル帰化”へ――。大相撲夏場所千秋楽(27日、東京・両国国技館)は、横綱鶴竜(32=井筒)が横綱白鵬(33=宮城野)を寄り切って自身初の2連覇と通算5度目の優勝を果たした。そんななか、結びの一番で激突したモンゴル出身の両横綱が本格的に日本国籍取得(帰化)へ向けて動きだしていることが判明。すでに鶴竜は帰化申請を済ませており、白鵬も近く手続きに着手する。ともに現役引退後は日本相撲協会に残って親方になることを希望しており、そのための大きな一歩となりそうだ。

 関脇栃ノ心(30=春日野)の大関取りに注目が集まった夏場所は、その栃ノ心を14日目(26日)に下した鶴竜の5度目の優勝で幕を閉じた。自身初の2連覇を達成した鶴竜は「自分にとっては大きな意味を持つ。横綱に準優勝(優勝同点)、優勝で上がったから2場所連続優勝をしたいとずっと思っていた。“ラッキーで上がった”と思われたくない。連続優勝して自分の力を証明したい。そう言いたい自分がいた」と喜びをかみ締めた。

 敗れた白鵬も2場所連続の休場明けながら終盤戦まで優勝争い。横綱としての務めを果たし「大きなケガもなく無事に終わった。(悔しさと安堵感は)両方だね。休場明けは難しい? 2場所というのはね。いい勉強になった」と来場所以降の賜杯奪回を見据えた。

 モンゴル出身の両横綱は安定した実力を見せつけたが、日本国籍取得へ向けても本格的に動きだしていることが明らかになった。

 鶴竜と白鵬は以前から現役引退後も日本相撲協会に残って親方になることを視野に入れていた。親方になるためには現役を引退した時点で「日本国籍を有する者」の条件を満たす必要がある。両横綱は今年で33歳。現役力士としては終盤に差し掛かっている。

 通常は法務局へ申請してから日本国籍取得の許可が出るまで1年程度を要する点などを考慮すれば、実質的な“申請期限”が迫っていた。すでに鶴竜は日本への帰化を法務局へ申請済み。4度目の優勝を果たした3月場所後の会見では、将来的に親方になる可能性について「半分半分」と慎重に言葉を選んでいたが、ついに大きな決断を下した格好だ。

 白鵬も近く申請の手続きに入る。かねて日本国籍を取得して親方になることを公言していたが、レスリングの五輪銀メダリストでモンゴルの英雄だった父のジジド・ムンフバトさんが強い難色を示していた。これまでは父親の心情に配慮して表立った動きは控える一方で、水面下では帰化へ向けた準備を進めてきた。しかし、4月9日にムンフバトさんが76歳で死去したことで状況が一変。千秋楽の27日に四十九日を迎え、一つの区切りをつけた。

 母のタミルさんは以前から白鵬の親方になる夢を後押ししており、今後の日本国籍取得に支障はない。妻(紗代子夫人)が日本人であることもあり、手続きはスムーズに進むものと見られる。かねて白鵬は東京五輪が開催される2020年までの現役続行を希望しており、力士としてのラストイヤーは「日本人」として迎えることになる。

 もちろん、両横綱が現役を引退するのはしばらく先のこと。夏場所では、まだまだ第一線で活躍できることを示した。将来への準備を進めつつ、当面の間は目の前の土俵での戦いに力を注いでいくことになりそうだ。