大相撲夏場所13日目(25日、東京・両国国技館)、横綱白鵬(33=宮城野)が幕内勢(31=伊勢ノ海)を上手出し投げで下し、2敗を守った。全勝の関脇栃ノ心(30=春日野)に土がつき、横綱鶴竜(32=井筒)と1敗で並ぶ展開。再び逆転Vの目が出てきた白鵬は「片方(栃ノ心)と対戦が終わっている。自分の力でどうこうできないが、残り2日間頑張る」と気持ちを引き締めた。

 前日12日目は栃ノ心と力勝負の末に敗れた。この日の朝稽古では悪いイメージを振り払うかのように、普段より長めにテッポウを打ち込んだ。大横綱は「連勝が63で止まったとき(2010年九州場所)に立ち直るのが難しかったけど、必ず太陽は昇ってくるんだと(自分に言い聞かせた)。そういう感じですね」。

 今場所は15日間の長丁場を乗り切るため、数日おきに朝稽古を休んで回復に努めるなど体調管理を優先。「場所中に休みを取るのがよかった。オーバーワーク気味ではない感覚がある」と体力面にも不安はない。

 春巡業中の4月には父のジジド・ムンフバトさんが76歳で死去。葬儀に参列するため緊急帰国した。千秋楽の27日は四十九日にあたり、場所後には再び母国モンゴルに一時帰国する予定もある。逆転優勝を果たし、亡き父の墓前に最高の報告をしたいところだ。