大相撲夏場所12日目(24日、東京・両国国技館)、関脇栃ノ心(30=春日野)が横綱白鵬(33=宮城野)を撃破。右四つがっぷりの力相撲を制して寄り切った。12連勝で大関昇進を確実にし、2度目の優勝にも前進した。26度目の対戦で初めて白鵬を倒した栃ノ心は「最高でした。初勝利? 何回か惜しい相撲があったけど、うれしい」と喜びをかみしめた。

 30歳7か月での大関は歴代4位の高齢昇進。筋骨隆々の体は衰えるどころか、力強さを増している。かねて師匠の春日野親方(56=元関脇栃乃和歌)は「40歳までやれ」と愛弟子に指令。「30歳でも稽古を毎日やれば体力は落ちないし、経験値が積み重なってくる。あと10年やるんだというのはウソじゃない。自分の経験上、30すぎぐらいが一番力が出た」と真意を明かした。

 部屋の稽古相手に三役経験がある実力者が揃っていることも強み。師匠によると、今場所前の稽古では栃煌山(31)や碧山(31)に苦戦していたという。春日野親方は「稽古のたまもの。(日ごろから)強い相手とやっているから。部屋の皆に助けられて、皆の力でここまできた。本人も分かっている」と成長の要因に挙げている。

 栃ノ心は「一人では強くならない。稽古相手がいたから」と部屋の関取衆に感謝する一方で「(現役で)できるところまでやりたい」とキッパリ。これから先、どこまで強くなるのか楽しみだ。