大相撲夏場所9日目(21日、東京・両国国技館)、横綱鶴竜(32=井筒)が幕内正代(26=時津風)を一方的に押し出して1敗を守った。「いい感じだったと思う。こういう相撲を毎日取れたらいい」と納得の表情を浮かべた。

 昨年は右足や腰を痛めて年6場所のうち5場所で休場。進退と隣り合わせの中、3月の春場所では8場所ぶりの復活優勝を果たした。自ら「チャレンジ」と位置づける今場所は自身初の連覇がかかるが、5月は鶴竜にとって特別な月でもある。

 場所中の22日は長男のアマルバイスガランくんの1歳の誕生日。「まだ1歳だからプレゼントをあげても本人は分からない。(将来本人に見せられるように)いい写真を撮ってあげたい。賜杯の横で? それができたら最高ですね」

 千秋楽2日後の29日には長女のアニルランちゃんが3歳の誕生日を迎える。鶴竜によると、母国のモンゴルでは女の子が3歳になると親族が髪を切ってあげてお祝いをする風習があるという(男の子は2歳)。その“断髪式”に合わせて家族が来日する予定。今場所で5度目の優勝を果たせば、最高の形で花を添えることになる。

 鶴竜は「子供のために頑張らなければいけないと思ってやってきた。そういうものがなければ、やっている意味がない」。逆転Vを虎視眈々と狙っている。