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電撃解任の引き金は「暴将」ハリルの暴言


ハリルホジッチ監督の電撃解任を発表する田嶋会長

 電撃解任の裏にはいったい何があったのか。日本サッカー協会は9日、日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(65)を解任し、6月のロシアW杯に臨む後任として技術委員長を務めていた西野朗氏(63)の就任を発表した。緊急会見を開いた田嶋幸三会長(60)は更迭の理由について選手との「信頼関係の崩壊」を強調したが、3月の欧州遠征中に選手との対立を決定づける出来事があったという。決戦2か月前に大将のクビを切らざるを得なかった“衝撃のひと言”とは――。

 迷走の揚げ句、ついに“暴将”が日本代表監督の座を追われた。「4月7日付でハリルホジッチ監督との契約を解除した」という田嶋会長は、解任に至った経緯をこう説明した。

「最終的な結論に至るまでには、W杯予選を突破した後、その前と様々な状況で議論してきた。年末には東アジア(E―1)選手権の韓国戦大敗の後も議論した。その時は続投という選択をしたが、西野さんは最後までハリルをサポートした。だからロイヤルティーがある。西野さんだから、こういう選択になった」

 これまで何度となくハリルホジッチ氏の進退が議論され、最終的にW杯まで残り2か月のタイミングで更迭を決断。監督としての実績に加え、チームの内情に精通する西野氏を後任に指名した。

 そのうえで田嶋会長は決断を下した最大の理由として「選手と監督の信頼関係が良くなれば、こういう結果にならなかったかもしれない」と指摘。苦戦を強いられたW杯予選中から指揮官と一部の選手が戦術を巡って対立し、その溝は徐々に拡大した。指揮官の独善的な指導法も相まって、両者の信頼関係は揺らいでいった。

 悪化した関係は3月の欧州遠征中に修復不可能になった。指揮官は自らへの不満を公言するようになった選手たちに対して、試合前の会見で一方的に“外部への発信”を制限。これに選手がまた反発して、負のスパイラルへと陥った。

 おまけに、選手に積極的なコミュニケーションを求めておきながら、疑心暗鬼になった指揮官は対話を拒否することも…。「話そうと思ったけど話せなかった」と選手の一人は漏らしており、関係修復の機会を自ら閉ざしていく。そうしたなか、欧州遠征の最後に関係崩壊の決定打となる出来事が起きた。
 遠征に参加した代表選手によると「解散前のミーティングで『お前らは裏切るなよ』と言われた」。

 なんと指揮官は、ともに大舞台を戦うはずのイレブンに向けて暴言を吐いていたというのだ。自らの数々の暴走を一切省みることなく、選手を敵視しているともとれる言葉を浴びせた蛮行。これで選手たちが「反ハリル」で一枚岩となり、協会へ解任を働きかける動きにつながった。

 ドタバタ劇の末に暴君のクビは飛んだが、協会側もタダでは済まない。田嶋会長が「契約を途中で切る時、我々にどういう義務が生じるのかを(法務担当と)話した」と言及したように、契約解除したハリルホジッチ監督とコーチ3人には違約金が発生する。それは1億円を超える莫大な額に上るとみられる。

 さらに関係者によると、W杯に向けてすでにテレビCMなど大々的に始まっているプロモーションも再び作り直す必要があり、制作費が発生する。協会のスポンサーがハリルホジッチ監督と結んでいた契約に関しても違約金が発生し、解任にかかわる臨時経費は合計2億円以上になるだろう。

 出血を伴う大ナタは目標のW杯8強へとつながるか。その結果は2か月後には出ることになる。

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