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本田メキシコ1部パチューカ移籍の真相 今後のビジネスを視野に


ミランのユニホームを脱いだ本田(ロイター)

 ACミラン(イタリア)を退団し、去就が注目されていたサッカー日本代表FW本田圭佑(31)の移籍先がメキシコ1部リーグのパチューカに電撃決定した。14日に自身のインスタグラムを更新し、契約書にサインする動画とともに「移籍決定! メキシコ、パチューカ!」と発表した。欧州や米国、アジアにJリーグなどさまざまな選択肢があったなかで、なぜ“都落ち”となるメキシコを選んだのか。舞台裏を探ると、今後手がけるビジネスを視野に入れた戦略が浮上してきた。

 

 本田は契約書にサインし、背中に「KEISUKE HONDA」と書かれた新天地のユニホームを手に取って広げる動画をアップ。クラブのサポーターに向けて「みなさん、はじめまして本田圭佑です。パチューカとの契約を終えて満足しています。ありがとう」と笑顔であいさつした。

 

 イタリア1部ACミランとの契約が6月末で切れて移籍先を模索。Jクラブや中国、米国に加え、イングランドやトルコなど欧州各国からも関心が寄せられた。長期戦も予想されるなかでの電撃移籍となったが、なぜパチューカを新天地に選んだのか。

 

 本田は新天地選びの条件として「チームのビジョン、来季の目標」を挙げていた。パチューカは国内で6度の優勝を誇り、北中米カリブ海チャンピオンズリーグを5度制覇。4月末に行われた昨季の決勝でも勝利して、同大陸王者として12月に開催されるクラブW杯(UAE)への出場を決めている。同大会には欧州王者として本田が“憧れ”と公言するレアル・マドリード(スペイン)も出場予定だけに、真剣勝負できる可能性も決断を後押ししたのだろう。

 

 さらに、意外な理由もあった。本田と親交のある大手広告代理店関係者は「パチューカはサッカーだけでなく、多角的な事業を展開している。優良経営で資金力もある。トップはスゴ腕で、サッカー界の有名人ともつながりが多い人物。そういった面が“実業家”としての本田に響いたのではないか」と指摘する。

 

 パチューカはサッカーを中核としながら教育、放送、ショッピングセンターや会議場の経営など幅広い事業に乗り出し「グルーポ・パチューカ」というメキシコ屈指の大企業グループに成長した。

 

 ヘスス・マルティネス会長はカリスマ経営者で、運営する大学には“サッカーの王様”ペレ氏(76)を招聘。サッカー殿堂も主催し、故ヨハン・クライフ氏やディエゴ・マラドーナ氏(56)も表彰している。かつてパチューカを指揮したハビエル・アギーレ氏(58)も日本代表監督時代の2014年11月に顕彰を受け、その際には代表合宿を抜け出してわざわざメキシコへ飛んだほど権威があるのだ。

 

 本田は最近、実業家として事業拡大に熱心なだけに、パチューカの経営モデルは参考になる。もちろん、将来的なビジネスパートナーとしても期待できるだろう。本田が重視する「ビジョン」にピッタリのクラブで、まさに“ビジネス移籍”の面もあるのだ。

 

 マルティネス会長も本田を高く評価しており「相当な金額を用意したはず」と同関係者。本田は年俸4億円を最低ライン(本紙既報)としていたが、それをクリアする4億5000万円から5億円程度の好条件とみられる。仰天の挑戦は果たして成功するか。

 

【治安の悪さ有名な街だったが】

 

 本田の新天地となるメキシコは麻薬組織が幅を利かせ、殺人や強盗などの凶悪事件が日常的に多発している。1901年創設の長い歴史を持つクラブの本拠地パチューカ(メキシコ中部イダルゴ州)は、同国内の中でも特に貧困層が多く住むエリアで、薬物に手を染める若者が続出するなど以前は治安の悪さが有名だった。

 

 しかし、数年前から自治体が治安を改善しようと民間のアーティストグループに依頼し、住宅の外壁をカラフルに塗り替えるプロジェクトを開始。住民間の交流が活発になり、雇用も生まれ、治安が急速に改善しつつある。また約2400メートルの高地にあるため酸素濃度が低く、環境に適応するには時間がかかりそうだ。

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