【ノルディック複合】4位日本 渡部暁斗頼みの限界

2018年02月23日 16時30分

喜ぶドイツ勢の前で肩を落とす渡部

【韓国・平昌22日発】ノルディックスキー複合団体で日本は4位に終わり、1994年リレハンメル五輪以来24年ぶりのメダル獲得はならなかった。得意の前半飛躍(HS142メートル、K点125メートル)で3位と出遅れ、後半距離(5キロ×4)で順位を下げた。複数金メダルを目標に掲げたエースの渡部暁斗(29=北野建設)は個人ノーマルヒルでの2大会連続となる銀メダル1個の結果に放心状態。“暁斗頼み”などの難題も浮き彫りになり、複合全体が仕切り直しを迫られた。

 

 これが限界なのか――。渡部暁は「銀メダルを取ってうれしいはずなのに今、全然うれしくない。2大会連続ということもあるけど、ソチ(五輪)の前から数えれば8年間戦ってきて結局、何も変わらなかったのかな」。強気な言葉で複合を引っ張ってきた男は失望の色を隠さなかった。

 現状、日本が勝つにはジャンプで2位以下に大差をつけること。それがオーストリア、ドイツに先行され、強豪のノルウェーにも8秒差しかつけられなかった。距離では3走の山元豪(23=ダイチ)が脱落し、エースが走る前に勝負は決していた。河野孝典コーチ(48)も「完敗です」と肩を落とした。渡部暁は「山頂を目前にして1回引き返さないといけない」と五輪金メダル取りへ再スタートを決断した。

 では、勝つためにはどうすればいいのか。渡部暁は「ジャンプ(強化の時間)を削ってでも走れるチームになったほうがいいのかな」と主張。チームとして得意のジャンプを重視する態勢で臨んできたが、見直しが必要という見解だ。

 一方、2番手が育っていないのも問題だ。リレハンメル五輪で2大会連続団体金メダルに輝いたとき、日本は河野コーチのほかに“キング・オブ・スキー”と呼ばれた荻原健司氏(48)、阿部雅司氏(52)と実力者が揃っていた。しかし今は渡部暁に頼るしかないのが実情だ。

 河野コーチは「みんな暁斗を追い越したい。その気持ちがもっと強くなってほしいと思いますね。2番手争いで満足するようだったらダメ。そういうふうに見えます。暁斗にはかなわないって思っているんじゃないか」。チーム力をアップするには競争意識を高めることが不可欠だ。

 また“国力”の差も見逃せない。個人ラージヒルでは日本よりノルウェーのスキーのほうが滑っていたとの指摘もあった。この点について、河野コーチは「ノルウェーだったらバイアスロンが強い。(五輪では)その情報を必ず共有している。日本はチーム自体が小さい。どれだけお金かけてほかのチームがやっているかですよ」。ドイツやノルウェーは競技人口やチームの規模、強化にかける予算も日本とは比較にならない。

 いずれも難題となるが、解決しなければメダルは取れない。4年後の北京五輪は渡部暁も33歳で迎える。荻原氏が引退したのは32歳。日本のエースにいつまでも頼ってはいられない状況だ。かつて“お家芸”と言われた複合に再び光は差すのか。重大な局面に立たされている。