【ジャンプ女子】高梨沙羅「大逆転」橋本聖子氏が断言 焦っているのはルンビの方

2018年02月09日 16時30分

笑顔で引き揚げる高梨沙羅

【韓国・平昌8日発】焦ることはない――。9日開幕の平昌冬季五輪で、日本中から視線が集まっているのがノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅(21=クラレ)だ。V大本命として臨んだ前回ソチ五輪ではまさかの4位で号泣。今大会でリベンジを誓うが、今季はW杯未勝利と成績を残せていない。ここから大逆転の金メダルはあるのか。「五輪の申し子」が本紙にその見通しを語った。

 8日には、本番会場(HS109メートル)で初の公式練習が行われた。高梨は99メートル、105メートルと距離を伸ばし、3回目は飛距離トップの106メートルをマーク。「いよいよ始まったな、という気持ち。緊張感もあるけど、自分が目指しているのは金メダル。まずいいスタートが切れて安心している」と手応えをつかんだ様子だった。

 一方で今季のW杯で10戦7勝、個人総合のトップを独走するマーレン・ルンビ(23=ノルウェー)は105メートルを超えるジャンプを揃え、3回ともトップの得点を叩き出した。他のライバルたちも本番(12日)に向けて調子を合わせてきており、今季W杯未勝利の高梨には厳しい戦いが予想されている。

 それでも悲願の金メダルを目指して必死に奮闘する姿には、多くの国民の支持が集まっている。では、大逆転金メダルの可能性はあるのか。「高梨は強い!」と断言するのは冬季4回、夏季3回と合計7度もオリンピックに出場した「五輪の申し子」こと日本スケート連盟・橋本聖子会長(53=参議院議員)だ。

 前回のソチ五輪で日本選手団団長を務めた橋本会長は「私はジャンプ飛んだことないですけど」と前置きした上で、元トップアスリートとして現在の高梨の状況をこう分析する。

「今置かれている立場で考えていくと、ルンビとかがすごく強い。だけど、それは高梨沙羅がずっと引っ張ってきた世界のレベルで、彼女のあらゆる技術をやっぱり参考にしてきている。彼女に追いつけ追い越せでずっとやってきた。だけど、自分自身がトップになってさらに上を目指していくっていうまでには、まだ外国勢はなってない。追いつけっていうところまで来たところで、トップになっちゃっている。ここである意味、気が楽。今までの最高のタイミングで飛ぶことができたら、それはもう高梨沙羅のほうが強い」

 ルンビ、カタリナ・アルトハウス(21=ドイツ)らライバルたちは高梨を目標にしてレベルアップし、追いついてきた。だが、高梨を「追い越す」というところまでには至っていない。「飛行にいく時の、安定した飛型に持っていくまでのスピードは高梨沙羅が抜群。そこが強み」(橋本会長)で、技術的には現在も世界最高峰にあり、ここ一番で力を出し切ればルンビらの上をいくという。そうした状況を踏まえ、橋本会長は高梨に「焦ることはない」とアドバイスを送る。

「見ているほうが焦っているだけだと思う。本人は焦っていない。毎回同じリズムで、最後は今までやってきていることを信じて最後にいくだけなので。そのタイミングを見計らっているだけでしょうね。最後は本当にどうなるか。トップに来て金メダル取るのは難しい技術だから。逆に今、トップはルンビ。彼女が一番ですよね。彼女のほうが焦っていると思うし、難しいと思う」

 トップに立つ経験の浅いルンビは「焦り」を感じているはずだけに、W杯個人総合優勝4度の実績を持つ高梨のほうが優位に立てるというのだ。高梨自身も「挑む気持ちで最後は1位を勝ち取れるよう、高めていきたい」。五輪シーズンではW杯でどんなに負けようとも、本番で勝てばいい。「五輪の申し子」の期待に応えられるか。