【ジャンプ】高梨沙羅 逆転金メダルへ順風

2018年02月07日 16時30分

韓国に到着した高梨は大歓迎を受けた

【韓国・平昌6日発】ノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅(21=クラレ)に“追い風”が吹いている。ソチ五輪4位の雪辱を期して韓国入りし「状態は90%」と復調を宣言した。しかもここにきてライバルに“不安”が発生。W杯では今季未勝利だが、本番のジャンプ台には好感触を得ており、逆転金メダルへ見通しが立ってきた。

 欧州から仁川空港に到着した高梨は「やるべきことをやってきたので90%。『ここで勝つ!』という気持ちをしっかり持って臨みたい」と意気込みを語った。W杯では今季未勝利、歴代単独最多の通算54勝へ足踏み状態が続くが、1月下旬の日本出発時とは明らかに異なる表情を見せた。

 高梨が本調子を取り戻せば、金メダルの期待も高まる。鷲沢徹コーチ(43)は“追う立場”になった高梨について「闘争心が燃えたぎっている」。金メダル候補として挑んだソチ五輪は4位。平昌では本命視されていない状況が、逆に高梨の心に火をつけたという。

 一方で、ライバルには不安要素が出てきた。W杯今季7勝のマーレン・ルンビ(23=ノルウェー)、同2勝のカタリナ・アルトハウス(21=ドイツ)には、これまで追われた経験がない。本番ではさらなる重圧がかかってくる。鷲沢コーチも「プレッシャーを感じるのはここから」。

 実際、この日、平昌入りしたルンビはメダル争いについて「ハードな戦いになる」と神経をとがらせた。今季W杯では圧倒的な成績で個人総合トップに立つが、五輪前最後のW杯ではダニエラ・イラシュコ(34=オーストリア)に敗戦。そのショックを引きずっている様子だった。これも少なからず“追われる立場”としての重圧があるからだろう。

 さらには、強風で知られる平昌のジャンプ台も高梨の“味方”になってくれそうだ。風力発電が盛んで風を利用したタラの干物「ファンテ」が名物。風の動きは神のみぞ知るが、荒れ模様になれば元女王の経験が生きる。1年前のプレ大会ではルンビを抑えて優勝した。高梨は「いいイメージを持って、すんなり入っていければ、うまく合わせられる」とジャンプ台に好印象を抱くのも強みだ。

 韓国入り前にスロベニアで最終調整し、準備を整えた。「ソチ五輪での悔しさをハネ返してやるために、この場所に来た」。すべてがかみ合ったとき、表彰台の頂点が見えてくる。