複合の渡部暁斗がW杯4連勝 最大のライバルも「彼を負かすことは難しい」

2018年02月03日 20時06分

優勝した渡部暁斗(中)

 ノルディックスキー複合のW杯個人第13戦が3日、長野・白馬ジャンプ競技場で行われ、今季個人総合首位の渡部暁斗(29=北野建設)が破竹の4連勝を飾り、自己最多のシーズン5勝目を挙げた。

 前半飛躍(HS134メートル、K点120メートル)でトップに立つと、後半距離(10キロ)は他を寄せつけない独り旅。あまりの強さに最大のライバルも白旗状態で、9日開幕の平昌五輪へ弾みをつけた。

 地元白馬で15年ぶりに開催されたW杯で、渡部暁が圧巻の強さを見せつけた。オーストリアでの「トリプル」で3連勝を果たし、上昇気流に乗る男はまずジャンプで見せる。風向きが頻繁に変わる難しい条件の中、130・5メートルを飛んで1位。距離は2位に16秒差、最もマークしていた個人総合2位のヤン・シュミット(34=ノルウェー)には1分以上の差をつけてスタートした。

 十分なアドバンテージを得た渡部暁は、危ない場面が全くないまま独走でゴール。試合後には会場に駆けつけた大応援団と万歳三唱を行い、五輪金メダルへの機運を高めた。

 前日には公式練習で転倒し「少し首と胸が痛かった」と万全ではなかった。また、帰国して間もないことから、時差の影響も残っていた。それでも、影さえ踏ませない完勝だ。ライバルも悲鳴を上げ、シュミットは「(渡部暁は)これまでも強かったし、安定していた。ただ、今シーズンの違いは勝っていること。1歩も2歩もステップアップした。彼を負かすことは難しいと思うけど、明日はトライする」と力なく話すしかなかった。

 しかし、渡部暁はまだ自身のパフォーマンスに満足していない。五輪に向け「最後の最後、(試合の)前日まで可能な限り上げていきたい」と力を込めた。所属GMの“キング・オブ・スキー”荻原健司氏(48)から「私が五輪で勝てなかったのは守りに入ったから」と助言を受けると、「五輪では攻めの姿勢を忘れないように戦いたい」と返した。

 4日の第14戦では荻原氏に並ぶ日本人最多タイのシーズン6勝目がかかる。絶好調の渡部暁は「もう少し差を広げて次に持ち越せれば、流れ的にはいい」と雄弁に語った。