【ラグビー トップリーグ】2季ぶりヤマハ復帰 五郎丸の「15問題」“不協和音”未然に回避

2017年08月19日 16時30分

 ラグビーのトップリーグ(TL)は18日、各地で開幕戦を行い、2季ぶりにヤマハ発動機へ復帰した元日本代表FB五郎丸歩(31)が復帰戦となったトヨタ自動車戦(豊田)に先発。2本のキックを決めるなど14―11の勝利に貢献した。約1年6か月の海外挑戦中はほとんど出番がなく、ブランクを懸念されていたが、上々の再スタート。なかでも大きなプラスになったのは“不協和音”を回避できたことだ。

 五郎丸は2015年W杯イングランド大会で日本人初のベストフィフティーンに選出されて大ブレーク。16年2月に移籍したスーパーラグビーのレッズ(オーストラリア)、同年夏に加入したフランス1部リーグ・トゥーロンでのプレーを経て2シーズンぶりにTLの舞台に帰ってきた。

 海外挑戦中はほとんど出番がなく、試合勘の低下などを懸念されたが、昨季、ヤマハのFBを務めたゲラード・ファンデンヒーファー(28)をWTBに押しのけ、15番のジャージーを勝ち取った。

 肝心のパフォーマンスでも、正確なキックで自軍を前進させた。プレースキックもゴール正面の短い位置からきっちり決めてみせ、健在ぶりを示した。

 五郎丸は「キックは誰でも入るところだったので何とも言えない」と自己評価は避けたが、大流行した“忍者ポーズ”をやめたニュースタイルには「フォームを変えていろいろいじっている。フランスから新たに取り組んでいて、今のところいい感じ」と手応えを口にした。次節以降、長い距離や角度のある位置でのプレースキックを成功させて完成度の高さをアピールする考えだ。

 一方でチーム内の不協和音も未然に回避できた。かねてヤマハの清宮克幸監督(50)は、五郎丸とFB、キッカーの座を争うファンデンヒーファーについて「彼も15番を渡すつもりはないだろうし、2年連続ベストキッカーも狙っている。そのエネルギーをマイナスに向かわせないようにしたい」と“不満分子化”を懸念してきた。だが昨季のベストキッカーは「WTBは新たな挑戦。頑張りたい」と本紙に語り、素直に新境地を受け入れた。

 この日はTL最多となる2万7871人の観客が詰め掛け、五郎丸は不動の人気者ぶりを見せつけた。実力の証明に加え、こうした状況もライバルに“白旗”を掲げさせたのかもしれない。

 五郎丸は「今日来ていただいた方が次に来てくれるかが大事」と語った。さらなるパフォーマンス向上が期待できる今後、ラグビー界随一の実力と人気を兼ね備えた存在であることを証明し続けられるか。