ラグビー日本代表がゼロからの再発進を余儀なくされた。ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC=46)の初陣となった5日のテストマッチで日本はアルゼンチンに20―54で完敗。序盤こそW杯イングランド大会4強の強豪国と互角に渡り合ったものの、13人が初代表とあって連係面の不備を露呈した。

 昨年のW杯で大躍進したエディージャパンが抱かせた期待を感じられなかった。しかもDF面で新たにジョセフ流を導入するなど、チームづくりは振り出しに戻った。SH田中史朗(31=パナソニック)は「まだまだチームとして初期段階」。FB松島幸太朗(23=サントリー)は「準備期間も少なかったし、今回は(前体制に比べて完成度は)20%くらいですかね」と現状を語った。

 もちろんエディージャパン時代のメンバーを増やすことで連係面の課題は解消されるだろう。だが、昨年のW杯で主将を務めたFLリーチ・マイケル(28=東芝)やFB五郎丸ら主力の一部は、代表入りに消極的。現段階では新メンバーでチームを構築していくしかない。キッカーを務めたSO田村優(27=NEC)は「もっとコミュニケーションを取らないといけない」と話す。

 この後、渡欧するジョセフジャパンはジョージア(12日)、ウェールズ(19日)、フィジー(26日)と対戦する。その先に3年後に迫ったW杯日本大会へ向け“光明”を見いだせるか。