日本ラグビー協会は28日、都内でアルゼンチン戦(11月5日、秩父宮)と欧州遠征(ウェールズ戦など3試合)に臨む日本代表メンバー32人を発表した。

 9月に就任したジェイミー・ジョセフ新ヘッドコーチ(HC=46)の初陣。アルゼンチン戦は元日本代表監督で20日に53歳で亡くなった平尾誠二氏の追悼試合として行われる方向だが、初選出組が17人とフレッシュな顔触れとなった。一方で、昨年W杯イングランド大会で日本中を沸かせたメンバーは、今回主将の一人に任命されたバックスの立川理道(26=クボタ)ら12人にとどまった。

 新HCは「誰が入らなかったのかということばかりに目を向けて、せっかく選出した新しい選手を損なうことはしたくない」と前向きだが、思うように選手を招集できていないのが現実だ。

 昨年のW杯で主将を務めたFWリーチ・マイケル(28=東芝)や右肩のケガが癒えたFB五郎丸歩(30=トゥーロン)は、現段階では代表入りの意思はない。さらにW杯組の中には招集の打診を受けたにもかかわらず“諸事情”を理由に辞退した選手も複数いるという。

 つまりケガやコンディション不良ではなく、精神面の問題。エディージャパンでの過酷なトレーニングによって大躍進を果たしたが、蓄積されたダメージも大きかった。それが影響し、日本代表に対する新たなモチベーションを見つけられないようなのだ。

 日本ラグビー協会の薫田真広氏(50=男子15人制日本代表強化責任者)は「フィジカル的には大丈夫だけど(精神的に)疲れているというのはある。選手自身が早く気持ちを切り替えてほしい」と語る。自国開催の2019年W杯を控える新生日本代表はエディージャパンの“弊害”を克服できるのだろうか。