いきなりトラブル発生だ! ラグビーのトップリーグ(TL)が13日に開幕し、3連覇を狙うパナソニックが38―5でサントリーを下した。日本代表が大奮闘したW杯イングランド大会をきっかけに起こったラグビーフィーバーがいよいよ全開…と思いきや、満員となるはずのスタンドは日本ラグビー協会側の見込み違いでなんとガラガラに。人気沸騰に水を差しかねない状況のなか、懸念材料はこれだけではないという。日本のラグビー界が恐れる“女難”とは――。

 収容人員約2万人の秩父宮ラグビー場にこの日訪れた観客は1万792人。日本代表が大活躍したW杯イングランド大会の反響により当初は満員となる見込みで、当日券も販売しなかった。それがふたを開けてみると、片側のゴール裏スタンドはほとんど誰もいない、何とも不思議な光景だった。

 日本代表HO堀江翔太(29=パナソニック)は「なんで少ないんですかね。満員と聞いていたんですけど…」と困惑するばかり。同SH田中史朗(30=同)に至っては「満員だと聞いていたので寂しかったですね。協会がしっかりオーガナイズできていないのはあり得ない。ラグビーとしては負けの試合」と怒りをぶちまけた。

 日本ラグビー協会によると「チケット販売枚数の見込み違い。深く反省している。ファンにおわびしたい」(小西宏事務局長)。約2万席のうち、一般発売の約5000枚は完売だったというが、両チームの買い取り分やスポンサー向けの分など、約7000枚以上のチケット分が実際には入場しなかったため、今回の事態が起こったようだ。

 チケットがほしくても手に入らなかったファンも少なくなく、せっかく盛り上がったラグビー人気をしらけさせる協会側の大失態となったが、心配事はこれだけではない。

 それはW杯の活躍で注目される立場となったラガーマンたちのスキャンダル。

 中でも女性問題が懸念されている。

 日本代表のサントリーFB松島幸太朗(22)は「街で声をかけられることも増えたし、私生活も引き締めなければならない。開幕前にチームからは『誰が見ているかわからない。注目されているなか、立場をわきまえた行動をしなければならない』という話はあった」と語った。特に女性関係に注意すべき、との通達があった。

 それでなくても「ワンフォーオール、オールフォーワン」がモットーのラグビーには、“さわやかイメージ”がある。いったん女性スキャンダルなどが起きてしまえば、反動によるイメージダウンは必至で、W杯戦士の努力で築き上げた人気もがた落ちだ。

 今後もラグビー人気を維持していくためには、選手、協会ともに“マイナー時代”の考えを捨てて、新たな自覚を持つ必要があるはずだ。