上田昭夫さんの命を奪った「アミロイドーシス」とはどんな病気なのか

2015年07月25日 07時01分

 ラグビー元日本代表で指導者として慶大を日本一に導き、ニュースキャスターとしても活躍した上田昭夫さんの命を奪ったアミロイドーシスとはどんな病気なのか。新潟大学医学部・名誉教授の岡田正彦氏に聞いた。

「アミロイドーシスという病名のアミはアミノ酸、ロイドはもどき、シスは病気を意味します。つまり、アミノ酸まがいのもの(アミロイド)が起こす病気ということです」

 アミノ酸はたんぱく質の元となる物質。通常はヒモ状につながって、たんぱく質となる。ところが、何らかの原因でこれが板状に変形し、臓器などに蓄積され異物となって悪さをするのだ。例えば、心臓に蓄積すると心不全、腎臓に蓄積すると腎不全、さらに全身の臓器に蓄積して臓器の細胞を破壊すると多臓器不全となる。

「アミロイドーシスは大きく分けて、限局性と全身性の2つに分類されます。このうち、限局性は1か所にとどまるもので、これが脳に起こるとアルツハイマーを起こすといわれています。全身性アミロイドーシスは重症化しやすい。また、人工透析を受けている人や関節リウマチの人はアミロイドーシスを発症しやすいといわれています」

 症状は不整脈や手足のしびれ、食欲不振、便秘や下痢、尿タンパクなど様々。診断も難しく、アミロイドが蓄積されていると思われる臓器の組織を採取し、病理検査する必要がある。しかし、不整脈や手足のしびれで組織検査までする人はいないので、早期発見は不可能。さらに、根治治療はなく、対症療法が中心となる。病気の進行も多様でほぼ進行しない人もいれば、どんどん進行してしまうケースもある。

「診断が難しいので、病気の実態は不明です。おそらく心不全や腎不全で亡くなった方にもこの病気が原因という方もたくさんいるのではないでしょうか」。統計上では発症率は100万人に3~5人の難病といわれているが、実は人ごとではない病気なのだ。