12日(日本時間13日)にアイルランドがイングランドを32―15で破ったラグビー欧州6か国対抗戦で、アイルランドがスクラムでことごとく反則を取られる異例の事態が驚きを呼んだ。

 4連勝の首位フランスを2勝1敗で追う両者の対戦は、イングランドが開始82秒でロックのユールズを危険タックルによる退場で失う波乱の幕開けとなった。14人のイングランドは反則を重ねるアイルランドから得たPGをSOスミスが5回成功し、2トライを許すも後半25分まで15―15と大奮闘。最後はアイルランドに2つのトライを追加され、ボーナスポイントを与える黒星をホームのトゥイッケナムで喫した。アイルランドは優勝の望みを残す一方、イングランドは昨季に続くV逸となった。

 一見大勝のアイルランドだったが、フランス人のライナル主審はスクラムで反則の宣告を繰り返した。ユールズの穴をWTBの選手で埋めたイングランド相手に、アイルランドはスクラムが回ってしまうホイールや、早めに組み始めるアーリーエンゲージ、崩してしまうコラプシングと反則の嵐。失点に直結するものもあった。両チームのスクラム数は10回弱で、アイルランドは大半で反則を犯したことになる。

 日本のSNSでも「反則とられまくり」「スクラムホイールがよくわからん」「イングランドがスクラム強いのか、アイルランドが大したことないのか」と驚きや疑問が投稿された。

 来年のW杯フランス大会で日本と同組のイングランド。15年大会で日本を率いたエディー・ジョーンズ監督は、英スカイスポーツによると、度重なるスクラムでの反則に「なぜアイルランドにイエローカードが出ないのか。それが唯一の不満だ」と語っている。

 19年大会のアイルランド戦で日本は、スクラムで試合の流れを変えるペナルティーを奪った場面が記憶に新しい。来秋のW杯で対戦するイングランドのスクラムは超強力なのか…。