日本ラグビー協会で15人制日本代表の強化責任者を務める藤井雄一郎ナショナルチームディレクター(52)が24日、1勝2敗で終えた欧州遠征の総括会見を行った。

 世界ランキング10位の日本は今回の遠征で同4位のアイルランドに5―60で大敗し、格下(世界ランク19位)のポルトガルには勝利したが、2019年W杯日本大会1次リーグで勝利したスコットランド(同7位)には20―29と及ばなかった。藤井氏は「(新型コロナウイルス禍で)試合できなかった影響があったと思うが、言い訳にはならない。そこそこ評価できる戦いはできたのではないか」と一定の評価を下した。

 昨年はコロナ禍で代表活動ができず、欧州各チームよりテストマッチが不足していた事実は言い訳にしなかったが、懸念したのは選手層の薄さについて「一番の心配材料」とした。かねてジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチも、その点を指摘しており、今回の遠征で初キャップを記録したCTB中野将伍(東京SG)ら若手を中心とした底上げは急務。しかも「(レギュラー陣の平均)年齢もだんだん上がってきている」。悠長に構えている時間はない。

 W杯日本大会に向けては、スーパーラグビーの日本チーム・サンウルブズが国際レベルの経験値アップに貢献したが、すでに消滅している。23年W杯フランス大会に向けて藤井氏はテストマッチ以外の国際試合を行い、強化につなげていく意向だ。